院内でお薬がもらえる院内処方のクリニックです。積極的に残薬調整、内服薬の削減の努力をしています。(稀少薬・一包化・希望の方は院外での対応になります)

院内処方と調剤薬局の利点

<院内処方の利点>

  • その場ですぐに薬がもらえる。
  • 処方理由・方法の意志伝達が統一される。
  • 治療費が安い。(最下段 参照 モデルケースとして3000円程度異なる)
  • 実物を見ながら話が可能。(医師にとっても利点)
  • その場で薬を飲んでもらうことも可能。
  • 処方間違いを実物を見ることによって防止できる(PCでクリックの場所を間違えてしまっても、確認する際に気が付ける)

<調剤薬局の利点>

  • ありとあらゆる薬が準備されている(義務付けられている)。
  • 医師にいいづらい薬の相談が可能。
  • 市販薬の相談が可能で、その場で購入もできる。
  • 違った目で見るのでチェック機構として作用することがある。
  • 一包化に対して最大2900円の報酬が設定されており、積極的に一包化してくれる。
  • 後発品を一定数調剤すると全ての患者さん(先発品しか内服していなくても)から220円徴収できるため、積極的に後発品を勧めてくれる。
  • 残薬調整も業務の一部となっているので、余った薬をまとめて持って行けば日数を変えてもらえる。

となります。

後発品に関しては、調剤薬局では後発品を処方した割合で、全ての患者さんから一律最大220円の後発品体制加算(本人が先発品のみでも)を請求できますが、院内処方の医療機関では、その様なものはなく、単純に後発品を選んだ人だけが、薬剤費が安くなります。
当院では、後発品に関して、品質・供給などに問題がないところだけを選んで処方します。

院外処方の医療機関が増えている中で、なぜ敢えてこの時代に院内処方で開業するのか。多くの同僚・医師の友人や金融機関の方に聞かれることではあります。
医療の世界は一般社会と大きく異なり、売値(診療報酬上の薬剤料や器具代)と仕入値(納入価)の差がほとんどなく、消費税を加えるとむしろマイナスになってしまうこともあります。
処方箋料も院外処方の方が高くなっており、在庫管理・手間・人件費を考えても院外処方の方が有利になっています。

院内にするか、院外にするか、開業を考えはじめた時にクリニック内の配置なども含めて大きなポイントの一つになります。
会計士なども収益のことを考えれば、院外処方の方が有利であるため強く推奨しますし、金融機関は借金が回収できるかどうかということが一番の評価ポイントな訳で、経営的に不利なことをしようとすると、当り前ですが理由と聞いてきます。

常に迷った時に考えるのが、自分がなぜ医師を目指し、自分がどの様な医療を行いたいかということです。
体調が悪くて医療機関にかかる訳です。今まで勤務していた総合病院もそうですがお薬をもらうためには、体調が悪かろうが、天候が悪かろうが、幼い子供を抱えていようが、いったん外に出て、調剤薬局に出向き順番を待ってお薬をもらう必要があります。医師と言う身分を隠せば、診察室で他の先生から受けた薬の説明を再度受ける必要があります。

また、日本の院外処方の問題点として、医師の処方目的が院外調剤の薬剤師さんがカルテを見ることが出来ないので、処方理由や検査結果を把握できないと言うことがあります。
例えば、一部の高血圧の薬は糖尿病による腎臓の障害対策に、一部のてんかんの薬が片頭痛の予防に使うことがあります。漢方薬に至っては、その人の状態で使い分けるので、頭痛と胃腸炎とめまいと乗り物酔いで全て同じ漢方薬が有効なこともあり、薬剤師さんは処方箋しか見れないのでなぜ出されたのか理由を知ることは出来ません。片頭痛の人に車の運転をしてはいけないとか、胃腸炎と乗り物酔いで同じ指導されても困ります。
カルテを自由に閲覧できれば、その様なことはありませんが、診察室内でこちらを信用して話していただいた内容が外部の誰でも好きな様に見れるというのは問題がありますね。薬剤師さんも病態や治療経過などの把握に苦労されているのだと思います。守秘義務があるので、電話がかかってきても、なりすましを含め把握が出来ないので、気軽に病状を伝えるわけにはいきません。

その手間を患者さんに掛けさせることが、私の目指すものではないことであり、院内処方とすることにしました。

他にも、患者さんから白い玉の薬とか表現されることがありますが、薬は数千種類あるので、実物が手元にないとどの薬かも良く分かりません。院内処方であれば手元に薬があるので、患者さんに見せて確認することも可能です。

ただ、調剤薬局にもいい点が多数あり、全ての医療機関の処方箋を受け入れる義務があって、それに対応できる様にするためにあらゆる薬を準備しています。
当院で在庫としておいてある薬は350種類ほどしかありませんが、調剤薬局では1000種類以上のお薬が常備されています。
その対価として、院内処方と比較して高い調剤報酬が設定されており、また、私のクリニックには置いていない、麻薬や免疫抑制剤などの特殊なお薬も普通に置いてあります。

院外処方箋を出すことで、複数の目で確認すると言うことも利点の一つではありますが、私のクリニックでは患者さんご自身にもお薬を確認してもらうことで、計4回の確認により調剤間違いが起こらない様に工夫をします。

他には、お薬が飲み忘れたのを医師には言えないけど、薬剤師さんには言えるってこともあるでしょうし(本来はそれではいけないので、飲み忘れは聞くようにしています。)、調剤薬局は飲み忘れて余っているお薬がないかどうか聞いて、その分を減らして処方すると言う義務を担っています(国が医薬分業を進めようとしている理由の一つ)。多くの真面目な調剤薬局は、飲み残しの薬がないか確認していると思いますが、内服日数が多い方が収益になる(調剤薬局では段階的に調剤料が高くなります。院内処方は日数が増えても変わりなし。)こともあり、一部の薬局では飲み忘れを聞かない所もあるそうです。

また、市販薬に関して私は詳しくなく、電子カルテにも情報がありませんが、薬剤師さんは薬の専門家なので市販薬の相談も可能です。というより、普通に薬局では市販薬をうっていますよね。私もネットなどを利用して、成分を調べることはできますが、ぱっとその場で答えることはできません。(市販薬の成分表を眺めると、医療用医薬品の成分量を少なくして、あれこれと混ぜていることが多いですが・・・。虫さされやかぶれにステロイド・抗ヒスタミン薬含有のムヒなどは効くだろうなと思います。)

とはいえ、今後も院内調剤の診療報酬が削減され続けるようであれば、院内処方を継続できるか分かりません。可能な限り患者さんのため、自分がしたい医療のために続けていきたいと考えています。

・金銭的な負担の少ない・移動しなくても良い・待ち時間が短い
・残薬調整・予備薬の調整

保険が使える漢方治療

西洋医学で対応できない領域を漢方薬で対応
院内処方可能な漢方は60方剤
肩こり頭痛 天気病み 冷え症 こむら返り 更年期障害など西洋医学で対応できない領域の治療を漢方薬にて行います。当院で院内処方可能な漢方薬は60種類 漢方治療は高額な印象があると思いますが、当院では保険で使用できる漢方薬のみを扱っています。なお、不妊症の漢方は自費治療となるため、当院では対応しておりません。

自分がやりたいのは、患者さんの状態がよくなることで、その対応法が西洋医学だろうと、東洋医学だろうと特にこだわりはありません。

そのため、漢方「を」ではなく、漢方「も」と表現しています。

癌とか骨折とか心筋梗塞とか、漢方で治すなんてことを言っていたら問題ですし、アレルギー疾患である喘息とかアトピー性皮膚炎とかは、西洋医学の素晴らしい薬が基本にあってそれを補助したりするために漢方を併用するのはありでしょうけれど、漢方単独で治療するというのは、大きく問題があると考えています。

私と漢方の出会いは、浜松医大に入学した後で親しい友人が東洋医学研究会に所属したことで、付き合いも兼ねて自分も入会した時でした。
ただ、単なる飲み会要員で、大きな集まりがあると参加すると言う不真面目な部員の一人でした。

そんな訳で学生時代は、少しは興味があるけど何が何だか良く分かっていない状態でした。

研修医になって、最初は当然のことながら西洋医学にどっぷり浸かった医療を行っていました。研修医3年目(私の頃は3年間の研修医制度)の時に、聖隷浜松病院で小児科を回り、20人程度の病棟患児と夜間の小児科救急外来などを担当する訳ですが、聖隷の小児科では胃腸炎に対して五苓散という漢方薬を使っていました。西洋薬でよく使う吐き気止めの使っても効果がなく、上級医のアドバイスに従って、五苓散使ってみるとゲロゲロ吐いていて顔色が悪いお子さんが、10分もしないうちにみるみる顔色が良くなっていくのも目撃し、衝撃的な体験でした。

こんなに即効性が漢方薬にあるのなら、他の漢方薬はどうなんだろうという想いがわいてきて、もともと、患者さんが良くなることが一番大切で、西洋医学とか東洋医学とか大してこだわりを持たない性格であったことも幸いし、漢方の勉強も始めることになりました。その中で、巡り合ったのが現在師事している 日本東洋医学会EBM特別委員会ベストケースタスクフォースである井斎偉矢先生です。
サイエンス漢方と言う、科学的な視点に立って漢方薬を理解し、活用するというもので、西洋医学を中心に学んだ医師にとっても理解・納得がしやすいものです。漢方薬の薬理機序を知っているからこそ、適切な飲み方の指導ができる。現在の私にとっては当然のことではありますが、研修医時代は効能書きに書いてある通りに空腹時に飲む様に説明をしていて、今思えば恥ずかしい限りです。
毎月東京にある東邦大学東洋医学講座に通ったり、独学で勉強したり、様々な講演会に参加したり、毎月磐田市立病院で漢方の勉強会を主催したりしながら知識を増やしてきましたが、まだまだ勉強の途中ではあります。

皮膚疾患を伴う体質改善に対する漢方治療は非常にきめ細かい漢方薬の調整が必要で時に毎週の様に受診が必要になりますし、根本となる皮膚疾患の診断が必要になるため、皮膚漢方専門医での加療をお勧め致します。

浜松市:飯尾皮膚科医院たつた皮フ科クリニック
菊川市:桜井医院

不妊症に漢方薬って効くの?

私が漢方薬を処方して妊娠した友人・知人が3人程いたこともあり、不妊の漢方治療に関する相談を受けることがあります。

漢方薬は不妊症の一部に効果があることがありますが、子宮の形や月経、男性不妊が原因であった場合に、漢方薬を女性に飲んでいただいても正直効果はありません。

また、35歳以上は妊娠しにくく、胎児奇形の危険性が高くなる(ダウン症の発症頻度が100倍になるとも言われます)体質になりますし、時間経過とともに出産に伴う母子の危険性が高まります。効果が出るかどうか確実にものを言えない漢方治療に時間を費やすよりも、特に33歳以上の方は、産婦人科にて不妊症の原因を調べてもらうこと、不妊治療を優先されることをお勧めします。

比較的効果が期待できるのは、
・婦人科の検査で夫婦ともに異常が無い
・30歳以下
・冷え症 or 高プロラクチン血症
で特に治療も受けていない方です。

結婚2年以上経過している20~30歳前後の方で、産婦人科にはちょっとかかりにくいけど、冷え症があって漢方薬も試してみたいと言う方であれば、時間的な余裕もありますし、試してみる価値は有ると思います。
不妊症の原因の半分は、男性不妊であり、夫婦の同時治療が有効性が高いとされますので、ご一緒に受診された方がよいと思います。(不妊症は女性に原因があるというのは間違った考えです。)

なお、私自身は内科医で当然のことながら不妊症を数多く診ている訳ではないので、冷え症の体質改善という意味で受診されるのはいいのですが、不妊症の治療を希望される場合は、やはり不妊症治療の専門医療機関を受診されることをお勧めします。

ちなみに、漢方治療で妊娠にされた方の8割が統計上開始後6ヶ月以内とされており、年余にわたって同じ漢方薬を飲み続ける意味はないとされています。