「患者様」という変な表現が日本語として定着しつつあります。
医療者と患者の関係が上下関係にあるものを修正し、より丁重に扱う様にという意味合いがあるのかもしれませんが、根底には営利第一主義の医療機関において、患者さんがお金を運んでくるお客さんなのだから、「患者様」と職員に呼ばせるようになったのが始まりとも言われます。

お金を支払う側が偉いとか、支払う側の言うことを聞くのが当然と言うのは、道徳観念が無くなった拝金主義者の考え方だと思います。

レストランで食事をする時、私たちはお金と言う対価を支払いますが、その食事を食べさせてもらうまでには、食材を作る・漁をする・食材を運ぶ・料理を作る道具を作る・水道や光熱に関わる仕事・お店を設計し建築する・実際に料理を作る・料理を運ぶと様々な人達のおかげで、食事をすることが出来る訳です。どこかが1つかけても出来なくなってしまうので、自分はお店の人はもちろんのことその背景にある人達にもお世話になっていると考えています。
どちらが偉いとか言う訳ではなく、お互いに礼節をわきまえるのが、至極当然のことだと考えています。

私自身は、患者さんが医療の主役であり、医療者は治療を行う上でのパートナーと考えています。より良い医療が提供できる様にするための医学も含め様々な勉強・情報収集を日々行っていますし、礼節を持って患者さんが気軽に相談しやすい丁寧な対応を目指しますが、お金を支払っているのだから何でも言うことを聞くべきだと言う「患者様」扱いをご希望の方は、残念ながらご要望にお応えできませんので他の医療機関を利用されることをお勧めします。
(時に患者さん側の忍耐や努力が必要なこともありますし、人間は機械ではないのですから、一部の調子が悪くなった時に部品を取り換えればいいとか、薬を飲めばそれですぐに良くなるというものではありません。)