【溝口情報局】糖尿病の方がお菓子を楽しむコツ!

糖尿病・血糖値が気になる方のお菓子を食べるときのポイントとは?

当院では、糖尿病で通院されている患者さんは、毎月検査で血液と尿を調べ、血糖値を管理できるようにしています。過去1~2か月の血糖の平均を反映して上下するHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)という数値をみると、ここ最近の血糖コントロールの状態が分かります。
先月よりもHbA1cが上がってしまっていた患者さんに心当たりを伺うと、「お菓子とか果物が多かったかもしれない」と話す方が多くいらっしゃいます。

そこで今回は、血糖値のコントロールが悪くなりにくい、賢いおやつの食べ方についてお伝えします。

糖尿病治療中で、主治医の先生から甘いものを控えるように言われている方や、健診で血糖値が高めだと言われたことがある方、また、糖尿病のご家族がいらっしゃる方にぜひ知っていただきたい内容です。

血糖値をあげにくいおやつのポイントをおさえることで、糖尿病の管理をよくすることができますし、我慢し過ぎずにおやつを楽しむことができるようになるので、ぜひ最後までお読みください。

血糖値が上がる仕組み

まずは、血糖値が上がる仕組みについて簡単に説明します。
血糖値の変化に大きく影響しているのは「糖質」です。
糖質は、ご飯やパン、麺、お芋、おもち、おやつ、清涼飲料水などに多く含まれています。

食べ物を食べて糖質が体の中に入ってくると、消化吸収され、血糖値が上がります。
すると、上がった血糖値を正常に戻すために膵臓からインスリンというホルモンが出てきて血糖値が下がる仕組みです。

糖尿病の方は、膵臓から出るインスリンの量が少なく働きが弱かったり、インスリンの効きが悪い状態になることで、血糖値がうまく下げられず血糖値が高い状態が続きやすくなります。
そのため、糖尿病ではない方と同じものを食べても、血糖値が高くなりやすいのです。
血糖値をコントロールするためには、食事やおやつの食べ方を理解することがとても大切です。
おやつ選びの肝は、ズバリ「いつ」「何を」「どのくらい」食べるのか、この3つです。

「いつ」食べるのが良いのか

結論から言うと、食べるタイミングは、「朝ご飯かお昼ご飯の後」または「外出や運動の前」がおすすめです。

なぜかというと、食事と食事の間におやつを食べると血糖値が下がるタイミングが無くなってしまい、だらだらと血糖値の高い状態が続いてしまうためです。
こちらのグラフをご覧ください。
血糖値の変化参考:糖尿病ネットワーク

こちらは1日の血糖値の変化をあらわしています。
糖質を含む食事をとると血糖値が上がり、インスリンの働きで血糖値が下がります。1日3回、きちんと食事をすると、血糖値はきれいに3つの山を描きます。

では、おやつを食べたとき、血糖値はどのように変化するか見てみましょう。
例えば、午後の3時に糖質の多いおやつを食べたとします。すると、お昼ご飯の後に下がろうとしていた血糖値が再びグンっと上がり、下がり切らないうちに夜ご飯を食べてさらに上がってしまうという恐れがあるのです。

ポッキーを食べる人このように、食事と食事の間におやつを食べると、血糖値がだらだらと高い状態が続いてしまい血糖値のコントロールが悪くなります。
あなたは、小腹がすいたときや口寂しいときに、ちょこちょこおやつをつまんだり、テレビをみながらダラダラと食べてはいませんか?
おやつを食べるなら、食後のデザートとして食べ、食事と食事の間をしっかり空けてメリハリをつけることで、3食以外の時間はきちんと血糖値を下げることが期待できます。

ただし、食後でも、夜ご飯の後のデザートはあまりおすすめしません。
夜は、寝るまでに動く量が少ないですし、寝るまでの時間も短いので血糖値が下がりにくいと言えます。すると、寝ている間も血糖値が高い状態が続いてしまい、肥満の原因にもなります。おやつ食べる場合は朝か昼の食後をおすすめします。

ウォーキングをする女性また、食後でなくても、外出や運動の前など体を動かす前に食べれば、おやつの糖質がエネルギー源として使われるので、血糖値が上がりすぎてしまうのを多少抑えることができますよ。

「何を」「どのくらい」食べるのが良いのか

初めにお伝えしておくと、絶対に食べてはいけないものはありません。
たまにご褒美でケーキを食べる分にはそれほど問題ありませんが、反対に糖質少なめの物を毎日たくさん食べれば、カロリーの摂り過ぎになる恐れがあるので、あまりおすすめはできません。

1日に食べるおやつの目安は、

カロリー:80~160kcalくらい、多くても200kcal以内
糖質:10g以内

このくらいに抑えられると、血糖値や体重への影響は少なくなります。

おやつのパッケージの成分表示を確認してみて、普段食べているおやつのカロリーや糖質が意外と高いと感じた方は、1日に食べる量を見直してみましょう。

大福また、患者さんから、「洋菓子よりも和菓子の方が良いんじゃない?」という質問を受けることがあります。
和菓子は、脂質が少なくて洋菓子よりもカロリーが低いものもありますが、原材料を見ると糖質のかたまりとも言えるので、糖尿病の方は要注意です。
例えば、大福は、もち米と小豆とお砂糖からできていますし、おせんべいは、甘くはありませんがうるち米からできているので糖質は多めです。

洋菓子と和菓子どちらの方が良いのか、一概には言えません。選ぶときに成分表示を確認して、普段何気なく選んでいるもののエネルギーや糖質がどのくらいなのか、確認してみましょう。プリン

まとめ

糖尿病の方がおやつを食べるときのポイント
【食べるタイミング】朝ご飯かお昼ご飯の後にデザートとして食べる、外出や運動前
【量の目安】カロリー:80~160kcalくらい 糖質量:10g以内が目安

ただ、食事が一人一人違うのと同じように、おやつの食べ方も、あなたに合う、合わないがあると思います。
甘いチョコが好きな方が、糖質の低いナッツやヨーグルトに変える、というのも良い方法です。実際、この方法で血糖値をコントロールできる方もいらっしゃいます。
しかし一方で、チョコを我慢することで、無性にチョコが食べたくなってしまう方もいらっしゃいます。このような場合は、1日に食べる量を減らす、あるいは3時のおやつや夕食後ではなく、昼食後へタイミングを変える、など、他の方法を試せると良いと思います。

喜ぶ女性ご自身ができることから改善していき、おやつを賢く美味しく楽しめるといいですね。
より詳しく知りたい方は、医師や管理栄養士にご相談ください。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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院長 溝口哲弘

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