【コラム】アルコールについて

男性

30代男性のOさん 体重75㎏ BMI 25.0㎏/m² 一人暮らし

会社の健診でHbA1c 7.5%を指摘されたが、忙しさもあり-3年放置していた。会社の上司のすすめで当院へ来院、糖尿病と診断されました。営業職として会社勤務、出張が多く飲み会の頻度も多い。飲酒も好きで晩酌をしている。最近は飲み会が続くことが多く、体重も増えてきたし、HbA1cが上がってきてしまったので相談に来ました。

 

栄養士:今回のお悩みは、飲み栄養士(小)会が多い食生活の方のお困りごとです。飲酒習慣がある  方、付き合いで飲酒の頻度が多くなる方もいると思います。

Oさんは何が原因なのか、少し考えていきましょう。

まずアルコールを飲むと太りやすく感じるのはどうしてでしょう?

それはアルコールを飲むことにより、①体の代謝が落ちること、②食欲増進作用で食べすぎてしまうこと、③アルコールは意外と高カロリーである、こちらの3つが理由としてあげられます。

 

まず1つ目ですが、アルコールを飲むと体の中ではアルコールを分解する働きが行われます。そちらが優先されてしまい、糖質や脂肪の代謝が遅くなってしまい、脂肪に変わりやすくなるのです。

そして2つ目ですが、体のアルコール濃度が高まると食欲増進作用があります。気分も高揚するため、つい食べたくなったり、もう1杯と進んでしまうのです。またつまみが揚げ物やフライなどエネルギーの高い料理が並ぶことが多いことも理由の一つですね。

最後に3つ目です。アルコールは1g当たり7kcalと意外と高カロリーなのです。糖質やたんぱく質は1g当たり4kcalで脂質は1g当たり9kcalで脂質に次いで高いエネルギー量です。脂質やたんぱく質はいろいろな食品に含まれており、置き換え(例えば、パンとご飯を置き換える)ができ調整ができます。しかしアルコールはカロリーとしては高いのですが、ブドウ糖などに変化するわけではないもので、脳などの活動の役には立たず、栄養面でメリットのないカロリー(エンプティーカロリー)なのです。その為、アルコールは何か別の食品と置き換えることはできず、普段の食事にプラスしてエネルギーだけをとることになります。

 

男性

Oさん:たしかにアルコールを飲んだ後に何となくラーメンが食べたくなったり、ついつい飲んでしまうことがあるぞ…。つまみも揚げ物は多いかもしれない。

ということは代謝が下がっているときに、揚げ物のような脂質が多いメニューにしかも夜寝る前の〆のラーメンってかなり危ないんじゃ?

 

栄養士(小)栄養士:そうですね、つい食べたくなりますが、麺類は糖質も多いですし種類によっては脂質も多く、スープも飲むと塩分の摂りすぎも考えられますので控えた方が良いでしょう。

 

男性O:実は、飲んだ後に麺類を食べるのに最近ハマってしまってそれも数値が悪くなった理由かもしれないですね。

栄養士(小)栄養士:そこに気づかれるとは素晴らしいです。たしかに最近飲み会の頻度が増加傾向になっているところに、それに付随して〆の麺類の頻度が増えたことは理由の一つかもしれませんね。

 

男性Oさん:うーん、まずはそこから気をつけようかな、とりあえず家にある麺類を忙しいときの昼食に食べて家に置かないようにします。あると食べてしまいそうなので!!

 

栄養士(小)栄養士:それは良いと思います!間食など家にあるとつい食べてしまう方は、なるべく家にストックしないようにすると良いでしょう。

ではOさんまずはお酒を飲んだ後の〆の麺類は控えてみましょう!ちなみに麺類はスープを飲み干すと約5~6gの塩分が含まれています。自宅で消費する麺類はスープを残して塩分&脂質等カットですよ。

 

男性Oさん:そんなにあるのか、それではまず出来るとことからはじめてみます!

 

溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘

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