【コラム】アルコールについて その2
30代男性のOさん 体重75㎏ BMI 25.0㎏/m² 一人暮らし
会社の健診でHbA1c 7.5%を指摘されたが、忙しさもあり2-3年放置していた。会社の上司のすすめで当院へ来院、糖尿病と診断されました。営業職として会社勤務、出張が多く飲み会の頻度も多い。飲酒も好きで晩酌をしている。最近は飲み会が続くことが多く、体重も増えてきたし、HbA1cが上がってきてしまったので相談へ。前回は〆の麺類をやめることを目標にしました。
栄養士:Oさん、こんにちは。あれからいかがですか?
Oさん:こんにちは。前回は〆のラーメンは控えるように気をつけることを決めたけど、毎回ではないですが、気をつけるようにしています。どうしても食べたいときがあるので、なるべく食べる量は減らそうと思って、とりあえずカップ麺のBIGサイズは買わないように気をつけています。
栄養士:早速気をつけられているのですね。毎回できていなくても前に比べて出来ているようなら、Oさんにとって大きな変化ですよ。
しかもBIGサイズではなく普通サイズを選ぶのも素晴らしい改善です。食べる量が減ることはその分摂取のエネルギーと塩分カットにもつながり、HbA1cの変化にも影響してきます。
Oさん:よかったです。BIGサイズを買わないようにするのはこれからもできそうなので、続けようと思います。
栄養士:ご自分でできることを目標にするのは、素晴らしいですね。是非麺類を食べるときは普通サイズやミニサイズを選んでみてください。前回お話したこともしっかり覚えていらっしゃるので、今日はアルコールの適量についてお話ししますね。Oさんは普段どのくらい飲みますか?
Oさん:飲み会ではビールをよく飲むのですが、大体4-5杯は飲んでいます。周りもそのくらい飲むからつい楽しくなって飲み過ぎてしまいます。
栄養士:そうなんですね、飲み会ですと周りの雰囲気も相まって飲み過ぎになりやすいですね。一般的な生活習慣病などの発症リスクが少ないアルコールの適量はこちらの表になります。
Oさん:え!適量よりだいぶ多く飲んでいたのですね、びっくりです!!実際飲み会だとどのくらい飲んでいたのでしょうか?
栄養士:そうですね、ビールジョッキだとお店にもよりますが、435ml~500mlくらいになるので、多い時には5倍くらい飲んでいたのかもしれません。アルコールの飲みすぎは中性脂肪を増やすので、増えすぎた中性脂肪は肝臓にしまわれます。そうすると脂肪肝のリスクも高まりますし、脂肪肝から肝がんへ移行する場合もあるので、脂肪肝と言えど侮れません。
Oさん:たしかに、健診の時も肝臓の機能があまり良くないと言われたような気がします。アルコールの飲みすぎも原因だったんですね。
栄養士:その可能性はありますね。Oさんは休肝日を設けていますか?
Oさん:忙しくて飲まない日もあるけど、あまり考えたことはないですね。家でも飲むことがあるので。
栄養士:なるほど、飲んでいる頻度は把握されていないのですね。肝臓は2日休ませることで機能を回復すると言われています。休肝日を2日設けると肝臓の負担も軽減されますので、まずは休肝日を確保することから始めてみませんか?
Oさん:飲み会は付き合いもあるから回数を減らすのは難しいですが、家で飲む回数は減らしてもいいかな。飲まずに疲れて寝てしまうこともよくあるので、休肝日2日ならできそうな気がします。
栄養士:いいですね、では休肝日を2日設けてみましょうか。
Oさん:質問なのですが、どうしても飲みたくなったらどうしたらいいでしょうか?飲んではダメなのはわかりますが、我慢できない時もあると思います。
栄養士:そうですよね、いきなり休肝日を作りましょうとしても飲みたくなる日もあると思います。アルコールを飲まず肝臓を休ませる日ですので、オールフリーなどのノンアルコールビールなどをうまく活用すると良いと思います。しかしノンアルコールでもエネルギーがあるものもあるので、多飲は控えましょう。
Oさん:なるほど飲まないというと全部だめな感じがしましたが、ノンアルコール飲料もうまく活用すればいいのですね。ありがとうございます。なんだかできそうな気がしてきました。また次回も宜しくお願いします。
栄養士:はい、これからも一緒に頑張りましょう。ではまた次回お願いします。
溝口ファミリークリニック
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院長 溝口哲弘