【コラム】アルコールについて その4

男性30代男性のOさん 体重75㎏ BMI 25.0㎏/m² 一人暮らし
営業職として会社勤務、出張が多く飲み会の頻度も多い。飲酒も好きで晩酌をしている。最近は飲み会が続くことが多い。飲酒後の〆の麺類をやめることと休肝日を設け、HbA1cが7.5→7.3へ改善しました。
飲み会でのつまみを変えるようにしましたが、どうなったでしょうか?

栄養士(小)栄養士:Oさん、こんにちは。前回からいかがでしょうか?

 

男性Oさん:こんにちは、休肝日は継続してできています。飲み会では揚げ物料理ばかりにならないように、自分で選ぶ料理を焼き物や刺身へ変えるように心がけてみました。そうすると、なんだかいつもよりビールがすすまないような感じがするんです。あと満腹感が少しなくて、野菜ならいいかなと思ってポテトサラダを選んでみました。

栄養士(小)栄養士:目標を実行できていますね、素晴らしいです。Oさんは料理と一緒にお酒を飲んでいたので、料理の種類が変わってアルコールの量も減ったのですね。満腹感が足りないのは飲む量が減ったり、つまみからの脂質が減ったからだと考えられますね。
そこで野菜料理を選ぶのはいい選択です。さらに良くなるポイントとして、ポテトサラダはジャガイモがメインに使われているので炭水化物が多く、野菜の仲間というよりもご飯やパンの仲間になります。また、マヨネーズが多く使われていて脂質も多くなります。そこで葉物野菜や海藻が使われているサラダを選ぶとより良くなりますよ。
前回の復習です!
ポテトサラダ・マカロニサラダ→野菜が多いシンプルな海藻サラダ・豆腐サラダや酢の物、マリネへ
ドレッシングからのエネルギーには注意!

男性Oさん:あぁ、そうでした!サラダってついていたので大丈夫かと思いましたが、注意ですね!

 

栄養士(小)栄養士:意外な落とし穴なので注意しましょう。それと以前はビールを4-5杯飲んでいたということですが、この間はどのくらい飲みましたか??

 

男性Oさん:3杯くらいかな?以前飲みすぎと言われましたので減らすよう意識をしたのもすすまなかった理由かもしれないです。

 

栄養士(小)栄養士:順調ですね。3杯くらいなら満足できそうですね!?それではまずは3杯を目安に減らす方向で経過をみましょうか。

 

男性Oさん:そうですね…

 

栄養士(小)栄養士:いきなり減らすのを言われても難しいと思いますので、アルコールの量について少し復習をしましょう。こちらの表を見てください。

アルコール2 表

栄養士(小)栄養士:どうですか?思い出しましたでしょうか?ビールで言うと350ml 1缶程度が目安量ですよね。

 

男性Oさん:はい、自分が多く飲みすぎていたことが印象的でいつも気になっていました。それでもまだまだ量は多いんですよね…。もう少し減らしていきたいとは思っていますが、どうしたらいいでしょうか?

栄養士(小)栄養士:気にしてくださっていたのですね!アルコールを減らすには、やはりルール決めは必要です。飲む前に量を決めてそのアルコールの量の中で上手に食事をとる必要があります。

 

男性Oさん:そうですよね…

 

栄養士(小)栄養士:アルコールを適量で抑える理由は分かりますか?

 

男性Oさん:つまみを食べすぎてしまってエネルギーが多くなるし、アルコールのため代謝が悪くなり余計脂肪になりやすいんですよね。あと脂肪肝にも繋がるのでしたよね。

栄養士(小)栄養士:その通りです。前回お伝えしたことばっちりですね。またそれに加えて、高血糖や低血糖になり血糖のコントロールを悪化させます。

 

男性Oさん:そうなんですね、アルコールで低血糖ってどういうことでしょう?血糖値が低いならいいのではないのでしょうか?

栄養士(小)栄養士:では先に低血糖にどうしてなるかということですが、アルコールは肝臓の働きを抑えます。ですので血糖が下がってきても肝臓から糖が出ず低血糖になりやすく、また低血糖からの回復も遅くなってしまいます。加えて糖尿病の薬は肝臓で分解されるので肝臓の働きが悪くなると、薬の分解が遅くなります。そうしますと薬の効果が持続してしまい低血糖になりやすくなるのです。低血糖とは、血糖値60㎎/dl以下の状態をさします。低血糖状態ではぼーっとして集中力がなくなったり、イライラ感、無気力状態などがあります。さらに進行するとめまい、吐気、頭痛など、さらにひどい場合には昏睡状態になるなど命の危険も出てきます。

男性Oさん:えぇ! そうなんですね、アルコール自体が血糖に色々な影響を与えるのですね!

 

栄養士(小)栄養士:そうなんです。普段なら低血糖に気づく人も飲酒をしているときは気づきにくくなるので、注意してくださいね。

 

男性Oさん:そうですね、気をつけます。

 

栄養士(小)栄養士:それでは今度は高血糖の問題ですがアルコールを飲むと自制心が緩くなり食事を多く食べすぎてしまう、それによりアルコールの量も増えることはお伝えしましたね。
それだけではなく、アルコール自体にもエネルギーとお酒によっては糖質も含まれています。特にビールは糖質が多い部類のお酒になります。

男性Oさん:そうなんですか?どのくらい入っているのでしょうか?

 

栄養士(小)栄養士:ビール1缶350mlで10gくらいです。飲み会でジョッキ3-4杯のめば、ご飯茶碗軽く1杯くらいの糖質はとっていることになりますね。

 

男性Oさん:ごはん1杯ってそんなにあるのですか!じゃあ糖質がないアルコールはどんなものですか?

 

栄養士(小)栄養士:糖質がない種類はウイスキーや焼酎などです。こちらの注意点はアルコール度数が高いので適量が少なく、飲みすぎるとアルコールの影響でインスリンの働きが抑えられてしまいます。表を見てください。

 

男性Oさん:ほんとですね、量が少ないですね。やっぱりアルコールの量は適量で抑えるほうがいいですね。

 

栄養士(小)栄養士:そうなんです、これからも長く付き合っていくには適量で楽しむことが大切だと思います。

 

男性Oさん:たしかに楽しみを全くなしにするのは寂しいから、まず3杯で抑えられるように取り組んでみます。

 

栄養士(小)栄養士:素晴らしいです。今までのお話の内容を思い出しながら気をつけてみてくださいね。また次回お話を楽しみにしています。

 

男性Oさん:今日もありがとうございました。

 

アルコール4まとめ

溝口ファミリークリニック
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院長 溝口哲弘

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