【コラム】糖尿病と間食について

50代女性のAさん 身長 150㎝ 体重 55㎏

おやつが楽しみで「主食を抜いても和菓子やケーキを食べたい」と考えている。間食は1日2-3回程度で、家にいて暇なときはつい食べてしまう。体重も増えてきていて気をつけなきゃと思っているが、ご飯の量を減らしているから大丈夫だと考えています。

 

栄養士(小)栄養士:今回のお悩みは間食を食べすぎてしまう方です。食事と間食は別のものですが、食事を間食で置き換えてしまう方はいるのではないでしょうか?でも大きな落とし穴がありますよ!

 

Aさん:よろしくお願いします。

 

栄養士(小)栄養士:こちらこそよろしくお願いします。

 

Aさん:私、糖尿病になってから、ご飯の量には特に気をつけていて、ほぼ食べていないんですよ。夕食に本当に少しだけ食べているような感じです。それでも数値があまり変わらないのでどうしてでしょう?

 

栄養士(小)栄養士:ご自身で気をつけられていて取り組まれているのですね。しかし中々改善されないと心配になりますよね。ご飯の量を減らしたらお腹が減りませんか?

 

Aさん:おなかは空きますよ。だから10時と15時、お風呂上りにおやつを食べます。でも食事のご飯の量は気をつけているし、大丈夫かなと思うのですが、どうですか?

 

栄養士(小)栄養士:そうですね、それでは今日はその質問に答えますね!まずAさんは普段、どんなおやつを食べますか?

 

Aさん:よく食べるのはおまんじゅうなどの和菓子やおせんべいもよく食べますね。この季節はスナック菓子はあまり食べないかな。その代わりにアイスは食べるようになったかも。もらいものでケーキや洋菓子なども食べるけど、あまり自分で買って食べることはないですね。

 

栄養士(小)栄養士:そうなんですね、和菓子系や今はアイスをよく食べるのですね。ではAさんは血糖値という言葉はご存じですか?

 

Aさん:はい、聞いたことはあります。食事をすると上がるんですよね?あと病院の検査でも空腹時血糖値を計りますよね?

 

栄養士(小)栄養士:その通りです!さらに詳しく説明すると、
食べ物から吸収された糖質が、ブドウ糖となって血液へ流れます。これを血糖値と言って、空腹時では70〜110mg/dLと言われています。
糖尿病患者さんだと、お腹が空いている時の血糖値が高めになったり、食後の血糖値も高くなる傾向にあります。
図を見てください。食事で上がった血糖値は、食後しばらくすると下がり始めてきます。その時に間食をとることで、またそこから血糖値が上がります。すると血糖値が下がりきる前に次の食事の時間になってしまい血糖値がその地点からさらに上がります。

血糖グラフ図

この食べ方を繰り返すと常に高血糖の状態が続いてしまいます。これでは食事の量を減らして調節をしても効果がありませんよね。

 

Aさん:確かに、そうですね。お菓子を食べたいので、ご飯を減らしていましたが、間食を減らさないといけないのですね。

 

栄養士(小)栄養士:その通りです。またAさんがよく食べるおやつには糖質や脂質が多く、量のわりにエネルギーが高いこともあります。またおやつに多く含まれる糖質は単糖類、いわゆるブドウ糖や砂糖が多いです。これらは穀物やイモなどの糖質よりも吸収が早いので、食べてしまうと急激な血糖上昇に繋がり血糖のコントロールが難しくなります。そのため、間食のエネルギー量だけで判断するのは危険と言えます。

 

Aさん:わかっちゃいるんだけどね…。でも…ご飯を普通に食べてしまったらお菓子は全く食べられないのですか?

 

栄養士(小)栄養士:基本的には控えたほうがいいのですが、まったく食べてはいけないわけではありません。ただし血糖コントロールを良好にするためにルール決めは必要になります。

 

Aさん:糖尿病になったら間食やデザートは全くダメかと思っていましたが。でもやっぱり量など少なくなるんですよね、ちなみに今の量では多いのでしょうか?

 

栄養士(小)栄養士:そうですね…,1日3回と回数は多いと言えますね。1回の量が少なくても回数が重なって量が増えていると思います。まずは間食の回数を減らすことから始めてみませんか?

 

Aさん:そうですね… 間食は0にしてくださいって言われたらどうしようかと思いましたが、やっぱり減らさないといけないのですね。

 

栄養士(小)栄養士:間食も人とのつながりや生活に彩りとして必要ですよね。ですから損なわないように適切にとる方法をお話ししますね。

先ほど血糖値のお話をしましたが、まずは血糖値を下げるためにも食間を4-5時間あけることが大切です。その為にも間食をどうしても食べたいときは食事の後に菓子をとるようにしましょう。そしてAさんにお願いしたいことは夕食後の間食を見直すことです。

 

Aさん:寝る前に食べると太りやすいって言われていますよね。食べてすぐ寝ると牛になるとも言われますし、寝る前はいけないなと思ってはいるんですよ。

 

栄養士(小)栄養士:その通りです!脂肪の合成は夜の時間に活発になりますし、エネルギーをとりすぎると使われなかった余分なエネルギーが脂肪として蓄えられてしまいます。間食+夕食で就寝中までずっと高血糖になってしまいます。血糖値が下がりきる前に翌朝の食事になってしまうのでここでも高血糖につながってきますね。

血糖値は高い状態が続くと、血液がねばねばしてきて動脈硬化が進みやすくなります。そのため腎臓や目、神経など細かい血管を傷つけたりしてしまいます!

 

Aさん:夏場は暑いので、夜お風呂上りにアイスをよく食べるようになっていました。動脈硬化は怖いですし、気を付けてみようかな。アイスをまず控えてみようかな。どうしても食べたくなったら、昼食後に食べるようにしたらいいのですよね?

 

栄養士(小)栄養士:そうですね、まずはお風呂上りのアイスを控えるところから始めてみて、どうしても食べたいときは昼食後にしてください。それから、お風呂上りに冷たいものが欲しくなるなら、冷たい麦茶や無糖の炭酸水など代わりのものを用意するといいですよ。

 

Aさん:できるかは分からないですが、まあやってみます。あまり期待しないでくださいね。

 

栄養士(小)栄養士:意識することが、まず大切ですので!応援しています。またお話聞かせてくださいね。

栄養コラムpart2 まとめ

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院長 溝口哲弘

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