【コラム】炭水化物抜きの落とし穴

50代女性のAさん 身長 150㎝ 体重 55㎏
おやつが楽しみで「主食を抜いても和菓子やケーキを食べたい」と考えている。間食は1日2-3回程度で、家にいて暇なときはつい食べてしまう。体重も増えてきていて気をつけなきゃと思っているが、ご飯の量を減らしているから大丈夫だと考えています。
前回は間食による血糖コントロールの問題点をお話しし、夕食後の間食を減らす提案をしました。さあAさんはどう変わったのでしょうか?

 

栄養士(小)栄養士:こんにちは、Aさん。今日もよろしくお願いします。

 

Aさん:こんにちは、よろしくお願いします。

 

栄養士(小)栄養士:早速ですが、前回のお話からいかがですか?

 

Aさん:うーん、頑張ろうとはしたんだけどね…。やっぱりお風呂上りにアイスを食べてしまったことがありました。

 

栄養士(小)

栄養士:食べなかった日もあったんですね。取り組んでいただいてうれしいです。1週間に何日くらいできましたか?

 

Aさん:はい、食べないで我慢をした日もありましたよ。でもお風呂上りくらいの時間になるとおなかが空いてきてしまうからやっぱり何か口にしないと眠れないし…。それでも週の半分は出来たかな。

 

栄養士(小)

栄養士:週の半分も取り組んでいただいたのですね!ちなみに夕食の時間とお風呂上りに間食を食べる時間は何時くらいなのですか?

 

Aさん:夕食は18時から19時ごろですね。お風呂上りにアイスを食べるときは21~22時時ごろだと思います。

 

栄養士(小)栄養士:夕食から食後2-3時間経つとおなかが空いてくるのですね。

 

 

Aさん:そうなんです。お風呂をあがるとお茶を飲むついでにアイスやお菓子を食べてしまいますね。昼食の後も夕食までに少し小腹がすくから、何か食べようかなと思って食べちゃいますね。

 

栄養士(小)栄養士:なるほど、つい手が伸びてしまうのですね。以前から習慣にしているのですか?

 

Aさん:以前から15時ごろやお風呂上りに食べたりはしていましたが、ここ最近は増えたかもしれませんね。

 

栄養士(小)栄養士:いつからご飯の量は気を付けているのですか?

 

Aさん:糖尿病と言われて、先生からご飯の量を減らすように言われたので気を付けていました。でも栄養相談があるからもっと気を付けないといけないなと思って食べないようにしました。

 

栄養士(小)栄養士:そうだったのですね!まずご飯の量を気を付けるのはとても大切ですね。ただご飯は悪いように思われることもありますが、減らしすぎによる問題というのもあります。今日はそこについてお話ししますね。ちなみにご飯を減らしてから小腹の空く感覚は変わったりしましたか?

 

Aさん:もともと食べていた量からさらに少なくなったし、以前より満腹ではないから余計食後は何か食べたいなと思ってしまったかもしれないです。

 

栄養士(小)栄養士:ご飯を減らしすぎると空腹感が増し、おかずや間食の量が増えることでたんぱく質や脂質の量が多くなる傾向があります。たんぱく質も取り過ぎると腎臓に負担がかかったり、脂肪に変わったりするので注意です。またおかずの調理による脂質や塩分の増加もあります。そうならないように炭水化物・たんぱく質・脂質のバランスが重要です。
理想は炭水化物:たんぱく質:脂質=50~65%:15~20%:20~30%です。

Aさん:えっ!そうなんですね。ご飯を減らせばいいと思っていましたが、確かにそう言われれば問題が出てくるのですね。

 

栄養士(小)栄養士:そうなのです。ご飯や麺類などの炭水化物は取り過ぎれば中性脂肪となり脂肪として蓄えられてしまいますが、0にすると問題も生じます。適切な量をとることは食事の満足感を増やしてくれますし、炭水化物には食物繊維も含まれており食物繊維を補うことにもつながります。

 

Aさん:そうですか、糖質を減らすと血糖が下がると思っていたのですが…。ごはんはどのくらい食べたらいいのでしょう?このままではいけないなとも思うので何とか変えたいです。

 

栄養士(小)栄養士:もちろん、糖質の多い食べ物を減らせば血糖値が急に上がるのを防ぐことはできますが、しかし減らし過ぎの問題もありますし、実は食べ合わせでも血糖値の上り方は変わります。まずは間食を減らすことを目的にごはんを適量とることから始めませんか?
Aさんのごはんの適量は120g、小茶碗1杯強くらいです。コンビニのおにぎりは1個100gなので、それに1~2口食べられるくらいです。

 

Aさん:普通に1杯食べていいんですね。ということは…、余分お菓子を食べていることが血糖値を悪くしている原因なんですね。

 

栄養士(小)栄養士:大きなポイントに気づかれましたね。間食は血糖コントロールを難しくさせますから、中々数値が下がらないとのお話の問題は間食にありそうですね。
ですのでご飯の量は一度はかりで計っていただき、あとは目分量でもいいのでご自分の適切なご飯の量を覚えてくださいね。 エネルギーに関しては間食など複数回とって量
が多くなれば、必要なエネルギーを超えてしまいますよ。
例えば、ケーキはものにもよりますが、300~400kcalくらいありますね。アイスは200~250kcalくらいで、120gのごはんが192kcalですので、アイス1個食べるときはご飯1杯食べていることを想像してみると、どうでしょう?

 

Aさん:そう思うと間食からのエネルギーって意外と怖いんですね。寝る前にアイスは食べられないかも…。帰ってエネルギー表示を見てみないといけませんね。まずは3度のごはんを食べてみます。

 

栄養士(小)栄養士:素晴らしいですね、栄養表示はぜひチェックしてみてください。エネルギーが多いものやり少ないものを知ることは間食選びに活用できますね!それではまずご飯を食べるとことから取り組んでみましょう。そうすることで夕食後のアイスが減らせるはずです。食事を食べたという満足感と満腹感も大切です。毎食ごはんを食べて1杯120gを食べて夕食後の間食を減らすことを目標としましょう。また次回どうだったか教えて下さいね。

Aさん:分かりました、やってみます。

 


溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘

前の記事

感謝のブログ(第62回)

次の記事

感謝のブログ(第63回)