夏バテ対策におススメの食事
暑い日の食事は、うどん・そうめん・そばといった麺類で済ませてしまっていませんか?
麺類が悪いわけではなく、麺だけで済ませてしまう「単品食べ」は、夏バテを招く原因になります。
麺類だけでは、糖質をエネルギーに変えてくれるビタミンや、体を作るタンパク質などが不足しがち。
これらの栄養素を補うことがポイントです。
そこで、夏バテ予防に効果的な栄養素と多く含む食品、さらにおすすめアレンジレシピを紹介します!
夏バテ予防の栄養
★たんぱく質
たんぱく質は、筋肉や血液の材料になり体をつくる大切な栄養素です。不足すると、体力や筋肉の低下、疲れやすさにつながります。
多く含まれる食材・・・肉類、魚介類、大豆製品、卵、乳製品
食欲や時間がないときは、手軽な冷奴や枝豆、納豆、かまぼこ、カニカマ、サラダチキン、チーズ、豆乳や牛乳などをつけるのがおすすめです。
★ビタミンB群
糖質や脂質からエネルギーを作り出すためには、エネルギー代謝を助けてくれるビタミンB群が必要です。
不足すると、せっかく食事から摂った糖質や脂質をうまくエネルギーとして使うことができません。
その結果、疲労感や体重増加につながります。
特にビタミンB1は疲労回復ビタミンともいわれ、糖質をエネルギーにするために必要で元気に直結しています。不足すると、だるさや集中力の低下、食欲不振、物忘れ、肩こりの原因になります。
多く含まれる食材・・・豚肉、穀類(特に玄米や胚芽米)、枝豆、そら豆、まいたけ、えのきなど
ビタミンB1の吸収を促進する「アリシン」という成分を含む、ニラやネギと一緒に食べるとさらに効果的です。
★ビタミンC
免疫力を向上させ、心身のストレスをやわらげる効果もあるので、夏バテ解消におすすめです。
多く含まれる食材・・・ピーマン、ブロッコリー、カリフラワー、果物、じゃがいもなど
★クエン酸
代謝を活発にして疲労物質の乳酸を減らす働きがあるので、疲労感を和らげてくれます。
多く含まれる食材・・・レモンなどの柑橘類、キウイフルーツ、パイナップル、梅干し、黒酢、シソなど
カラダ喜ぶ夏バテ予防レシピ
栄養たっぷりカレー 調理時間:30分
栄養成分(一食あたり)
エネルギー:571kcal
たんぱく質:23g
脂質 :16g
炭水化物 :76g
食塩 :1.6g
食物繊維 :9.1g
<材料(4人分)>
サバ水煮缶 1缶
蒸し大豆(水煮でも可)1袋(100g)
なす 1本
ズッキーニ 1本
トマト缶 1缶
玉ねぎ 1個
ピーマン 2個
にんじん 1/2本
カレールウ 2かけ(50g)
もち麦ご飯 1人あたり150g
<作り方>
①野菜をさいの目切りにして、耐熱容器に入れ、3~5分程度加熱します。
②サバ缶の汁を切り、サバをほぐします。カレールウは包丁で粗く刻んでおきます。
②鍋を火にかけ、①の野菜と②のサバを加えます。
③トマト缶を加えて全体が温まったら、カレールウを加えます。
④ルウがしっかり溶け、野菜がやわらかくなったら、お皿に盛りつけて完成です。
<調理のポイント>
・野菜は、電子レンジで加熱してから加えると、加熱時間が短縮できます。
レンジで加熱しておくことで油を使わなくても調理ができてエネルギーを抑えられます。
・カレールウは、あらかじめ刻んでおくか、フレーク状のルウを使うと溶けやすくなります。
<栄養ポイント>
①栄養バランスバッチリ!
夏バテ予防に欠かせないたんぱく質をはじめ、ビタミン豊富な野菜もたっぷり摂れます。
使用した野菜は、1日に必要な量の2/3以上!カレーに使用されている香辛料は食欲増進作用もあるので、
夏バテによる栄養不足も防げます。
②脂質控えめ
一般的なカレーは脂質と炭水化物が高くなりやすいですが、このレシピは水を加えずトマト缶を使用するため、
カレールウを通常の半分にして脂質をカットしています。
③コレステロールが気になる方や動脈硬化予防におすすめ
大豆に含まれるたんぱく質は、悪玉コレステロールを下げ、善玉コレステロールを増やす働きがあります。
また、サバに豊富なEPA、DHAは、血の塊ができるのを防ぎ動脈硬化予防に効果的です。
さらに、緑黄食野菜のピーマンやトマト、ニンジンは、コレステロールの酸化を防いで動脈硬化を抑えてくれる抗酸化ビタミンが豊富です。
<アレンジ例>
・サバ缶は、ツナ缶、枝豆、ひき肉などでも代用できます。
・きのこ類、オクラ、パプリカなど、ご家庭にある野菜を活用できます。
肉そば+パプリカときゅうりの梅おかか和え
●肉そば 調理時間:20分
栄養成分(一食あたり)
エネルギー:532kcal
たんぱく質:35g
脂質 :14g
炭水化物 :63g
食塩 :2.4g
食物繊維 :7.4g
<材料(2人分)>
そば(乾めん) 120g
豚もも肉 200g
長ネギ 1/3本
しめじ 1/3株
えのき 1/3株
ししとう 4本
ミニトマト 2個
★水、みりん 各大さじ3
★醤油 大さじ2
★酒 大さじ1
- めんつゆ(3倍希釈) 大さじ1
- 水 大さじ5
薬味(ごま、青ネギなど)適量
<作り方>
①鍋に湯を沸かし、そばを茹で、流水で冷やします。
②長ネギは斜め薄切りにし、えのきとしめじは石づきを切り落としてほぐします。
③豚肉を食べやすい大きさに切ります。
④②と豚肉と★の調味料を耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをして3分加熱します。取り出し豚肉をほぐし、さらに2分加熱します。
⑤ししとうはヘタを切り縦に切り込みを入れます。ししとうとミニトマトを油をひいたフライパンで焦げ目がつくまで焼きます。
⑥お皿にそばをのせ、④と⑤をのせ、●をあわせたつゆをかけます。お好みで薬味をかけて完成です。
●パプリカときゅうりの梅おかか和え 調理時間:5分
<材料>
パプリカ 1/2個
きゅうり 1/2本
梅干し 1個
かつお節 適量
<作り方>
①きゅうりを塩で板ずりして、めん棒で叩きます。
②①のきゅうりとパプリカを乱切りにします。
③梅干しの種を取り、包丁で叩くかフォークなどでペースト状にします。
④②③をボウルに入れ混ぜ合わせ、かつお節をかけて軽く混ぜて完成です。
<栄養ポイント>
①夏バテ予防に欠かせないビタミンB1、ビタミンCがたっぷり!
豚肉にはビタミンB1が多く含まれ、パプリカはビタミンCが豊富です。どちらも1日の必要量の3分の2以上が摂れます。
(日本人の食事摂取基準2020 すべての年代の男女の推奨量の2/3以上 ※授乳婦・妊婦は除く)
ビタミンB1の吸収を高めるアリシンを含む長ネギも使用し、効果アップ!
ただ、これらのビタミンは体の中に長く留まることができないので、3食の食事で補うことが大切です。
②そばは低GI食品なので血糖値が気になる方にもおすすめ
そばは、白米やうどん、そうめんと比べて血糖値の上がり方がゆっくりな「低GI食品」の一つです。米や小麦は精製されるときにビタミンやミネラルが豊富な胚芽部分が取り除かれますが、そばは精製せずに作られます。夏バテ対策に効果的なビタミンB1や、皮膚や粘膜の状態を整え、健やかに保つのを助けるビタミンB2が豊富なのも嬉しいポイントです。
一般的なそばは、そば粉と小麦粉と混ぜて作られているため、そば粉の割合が高いものを選びましょう。
③豚もも肉で脂質とエネルギーをカット!体重や悪玉コレステロールの気になる方も安心
肉類の脂質のとりすぎは、悪玉コレステロールをあげる原因の一つです。
豚バラ肉やロースよりも脂質の少ない豚もも肉を使用することで、脂質とエネルギーを約半分に抑えられます。赤身が多い分ビタミンB1も豊富です。