【溝口情報局】 食事で悪玉コレステロールを下げる秘訣

悪玉コレステロールを下げる5つの秘訣

「コレステロールが高いのは、年のせいかな?」「遺伝だから」と諦めてはいませんか?
もちろん、年齢や体質によってコレステロールが上がりやすい方もいらっしゃることは事実です。しかし毎日食べている食事に原因が隠れている場合もあります。
今回は、お薬に頼らずコレステロールを改善する秘訣を5つお話します。

Point 1.肉は脂身の少ない部位を選ぶ

肉類の油は、悪玉コレステロールを上げる「飽和脂肪酸」が多く含まれ、動脈硬化をすすめることが分かっています。
そのため、お肉を選ぶときは脂身の多い部位は控え、赤身が多いものを選びましょう。

豚肉や牛肉でしたら、ヒレ肉、もも肉、肩ロースがおすすめです。
バラ肉やこま切れ、ひき肉や、ベーコン、ソーセージなどの加工肉は、「飽和脂肪酸」が多く含まれる仲間です。
もし、普段ご家庭で脂身の多いお肉をよく使うようでしたら、今日の買い物のときから選び方を変えてみましょう。バラ肉やこま切れ肉は、安価で料理に使いやすいですが、薄切りのもも肉や肩ロースも同じように代用できますよ。

鶏肉は、皮の部分に脂質が多く、鶏皮1枚で約200kcal、脂質は20gです。
皮つきの鶏もも肉100gは190kcalですが、皮なしでしたら116kcalです。皮を取るだけで、約40%もカロリーがカットできますよ!
ちなみに、むね肉の皮つきは133kcal、皮なしは105kcalです。皮を取ればもも肉もむね肉もそれほど差はありません。

ダイエットのためにむね肉を選ぶ方も多いかもしれませんが、鶏肉の場合、実は部位よりも「皮があるか無いか」の方が脂質とカロリーが変わるのです。

Point 2.洋菓子やスナック菓子よりも果物、和菓子を選ぶ

クッキーやチョコレート、ケーキ、アイスクリーム、菓子パン、スナック菓子などに含まれる、マーガリン、ショートニング、バターなどは、コレステロールを上げやすい食べ物の仲間です。
これらを使ったお菓子や菓子パンをよく食べている方は、果物や和菓子に変えるのがおすすめです。

くだもの盛り合わせ果物は、油は入っていませんし、ビタミンやミネラル、食物繊維などの体に嬉しい成分がとれるのが嬉しいところです。
体の不調改善や美容が気になる方には特におすすめです。
ただし、体に良いとは言え、食べ過ぎてしまうと中性脂肪や血糖値を上げることにつながるので注意です。

果物を食べる場合は、1日にこぶし1個分程度を目安にしましょう。
みかんなら2個、リンゴなら半分、バナナなら1本、いちごなら6個程度です 。

また、果物の他にも、クリームが使われていない和菓子もおすすめです。
和菓子の材料はもち米や小麦粉、あんこなどの糖質中心の食材が多く、脂質が少ないので、コレステロールが高い方にはおすすめです。

例えば、おはぎなどのお餅やまんじゅう、羊羹、寒天ゼリーなどは脂質が少ないお菓子です 。
一方、クリーム大福、かりんとう、芋けんぴなど、クリーム入りの物や揚げてある物は、和菓子でも意外と脂質が潜んでいることがあります 。
成分表示をチェックしてみて、「脂質」が低いものを選ぶのが良いでしょう。

おやつの目安は、1日に160kcal、多くても200kcalが望ましいです。いきなり減らすのが難しい方は、今お話ししたように食べるものの内容から変えていくと良いと思います。

Point 3.野菜やきのこ類、海藻類を増やす

これらの食品に多く含まれている食物繊維は、小腸でコレステロールや糖の吸収をおさえる効果があります。
1食あたりの野菜の目安量は、生で食べるなら両手分、加熱してある場合は片手分です。

みなさんは、野菜が足りているでしょうか?

栄養指導でお話する患者さんに伺うと、夕食ではばっちり野菜を食べていても、朝と昼は少ない、という方が多いように感じます。

野菜の量を増やすには、

  • 夕食の野菜のおかずを多めに作っておいて次の日の朝食や昼食に回す
  • 汁物の具を増やして具沢山の野菜スープにする
  • 袋を開けてそのまま食べられるカット野菜をつける
  • 冷凍野菜をレンジでチンして食べる

このような手軽な方法でも十分です。

野菜やわかめなどがしっかり使われているフリーズドライスープを常備しておくのもいいですよ。
外食やコンビニを利用される方は、サラダや小鉢もセットで選んだり、野菜を使った定食メニューを選ぶなど、野菜をとることに意識を向けていきましょう。

野菜の中でも、色の濃い緑黄色野菜には、動脈硬化を防いでくれる抗酸化ビタミンが豊富です。
そのため、色の濃い野菜、薄い野菜を食卓に両方並べられると、野菜のとり方はバッチリです!

Point 4.魚介類や大豆製品を使ったおかずを増やす

魚には、中性脂肪を下げたり動脈硬化を防ぐ効果のある油が多く含まれています。また、大豆に含まれるたんぱく質には、悪玉コレステロールを下げる働きがあります。

これらの魚、大豆製品と、肉類、卵は、たんぱく質を多く含む「主菜」の仲間です。主菜の中でも、肉類や卵の頻度が多くて、魚や大豆製品は少ない方は、自然とコレステロールが上がりやすい食生活になっていると言えます。

例えば、朝ごはんに卵かけご飯を食べている方は、卵を納豆にする日を作る。お昼にお肉メインの定食やお弁当を選んでいる方は、魚メニューに変えてみる、など、おかずの選び方を意識してみましょう。

Point 5.食事は和食中心にする

和食御膳悪玉コレステロールを下げる点から、私が思う和食の良いところは3つあります。
1つ目は、魚や大豆製品のおかずがつけやすいこと
2つ目は、煮物や焼き物など、油をあまり使わない料理が多いこと
3つ目は、具沢山味噌汁をつければ手軽に食物繊維がとれること
です。

決してパン食が悪いわけではありませんが、パンに合わせるおかずは、ベーコンやウインナー、スクランブルエッグ、牛乳など悪玉コレステロールを上げる仲間が多くなりやすい傾向があります。
種類によっては、パン自体に脂質が多い物もあります。

和食でしたら、ご飯には脂質はほとんど含まれていませんし、焼き魚や煮魚、納豆、豆腐が食卓に並びやすいのではないでしょうか。朝はパン派の方は、ご飯食を増やすだけでも効果が期待できると思います。
普段、揚げ物やハンバーグ、カレーなどの洋食メニューが多い方は和定食メニューを増やすことを心がけてみてください。

まとめ

悪玉コレステロールを下げる食事のポイント

  1. 脂身の少ない肉類を選ぶ
  2. 洋菓子やスナック菓子よりも果物、和菓子を選ぶ
  3. 野菜やきのこ類、海藻類を増やす
  4. 魚介類や大豆製品を使ったおかずを増やす
  5. 食事は和食中心にする

あなたの食生活を振り返ってみて、なにか改善ポイントは見つかりましたか?

最後までお読みいただきありがとうございました。

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院長 溝口哲弘

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