【溝口情報局】管理栄養士が教える簡単カロリー計算~おかず編~

今回も前回に引き続き、覚えておくと便利なカロリー計算の方法をお伝えします。
前回は、ご飯やパン、麺などの炭水化物の多い食べ物について解説しました。
今回はおかずにあたるお肉やお魚、卵、大豆製品などを「80kcal」を基本に一緒に覚えていきましょう。

簡単なカロリー計算のコツ

はじめに前回の復習です。
カロリーを計算したいとき、糖尿病食事療法のための食品交換表 第7版(日本糖尿病学会編・著)を参考にすると便利です。
この本では、「食品80kcal」を1単位として、80kcal分がどのくらいの量なのかが示されています。それぞれの食品のカロリーを細かく覚えなくても、食品80kcalがどのくらいの量なのか分かれば、ざっくりとしたカロリーの見当がつきます。

例えば、

ご飯50g(お茶碗半分)で80kcal
食パン6枚切り半分で80kcal

と覚えます。

これを基準にすると、

ごはん茶碗軽く1杯(100g) → 80kcal×2=160kcal
食パン6枚切り1枚      → 80kcal×2=160kcal

となります。

このように、80kcalを基本に考えると簡単に計算することができます。

80kcalってどのくらい?

まずは、お肉のグループの80kcalあたりの量を見ていきましょう。
表にまとめると、このようになります。

食品
80kcalあたりの量
牛肉もも(脂身なし)、ヒレ、ひき肉40g
肩ロース、サーロイン30g
豚肉もも(脂身なし)、ヒレ60g
肩ロース、ロース、ひき肉40g
鶏肉むね肉(皮なし)、ささみ80g
もも肉(皮なし)60g
もも(皮付き)、むね(皮付き)、手羽、ひき肉40g
加工品加工品 ロースハム2枚(40g)
ウインナー2本(30g)

覚え方のコツとしては、

牛肉と、脂身が多めの豚肉、ひき肉、皮付きの鶏肉
→ 40gで80kcal

脂身の少ない豚肉、皮なしの鶏肉
→ 60~80gで80kcal

と考えましょう。

脂身が多い部位や、皮がついている鶏肉は、カロリーが1.5~2倍くらいになるとイメージできると思います。

つまり、脂身の多いお肉を食べる時は、食べる量に気をつければOKというわけです。
また、たくさん食べたいときや減量中のときは、空腹を我慢して食べる量を減らそうとしなくても、脂身の少ない部位を選んだり、鶏肉の皮をとったりすることでカロリーがカットできますね。

続いて、お魚です。

食品
80kcalあたりの量
脂質の少ない魚たら、えい、きす100g(大1切れ)
かれい、あゆ、ひらめ、いわな80g(中1切れ)
脂質のやや多い魚あじ、さけ、たい、ほっけ、まぐろ60g
脂質の多い魚かつお、さば、さんま、ぶり、とろ40g

種類によって結構違いますよね。
脂が多い魚はカロリーが高いから控えた方がいいのかな?と思うかもしれませんが、決してそうではありません。青魚にはEPAやDHAという私たちの体で作ることができない必須脂肪酸が豊富で、血管や血液の健康維持に役立ちます。
何かの魚に偏らず、色々な種類の魚を食べられるのが一番良いと思います。
青魚は脂が多い魚なので、青魚を食べる時は、食べ過ぎによるカロリーオーバーに気をつけましょう。

続いて、卵と大豆製品の80kcalの量はこのくらいです。
こちらは量が分かりやすいと思います。

食品
80kcalあたりの量

1個
納豆

40g(1パック)
木綿豆腐

100g(小1パック)

最後に、脂質の多い食品です。

食品
80kcal当たりの量

オリーブオイル
油の種類に関わらず
大さじ軽く1杯(10g)
マヨネーズ
マヨネーズ
大さじ軽く1杯(10g)
ナッツ類

ミックスナッツ
手の平にのる分くらい
(およそ10~15粒)

脂質の多い食品は、1日に1~1.5単位分が目安なので、
体に良いからといってオリーブオイルを色々な料理にたっぷりかけたり、ナッツ類をたくさん食べている方は、くれぐれも量には注意しましょう。

カロリー計算活用術

では、覚えたことを実際にどのように活用するか簡単にお伝えしますね。

例えば、身長160cmで普通体型、デスクワークや立ち仕事などをされる方の場合、

ご飯やパンなど炭水化物を多く含む食品は、1食に3単位(80kcal×3)
お肉やお魚などのたんぱく質を多く含む食品は、1食2単位(80kcal×2)

を目安にします。

具体的にあらわすと、
炭水化物食品は、
ご飯:50g(1単位)×3単位=150g
食パン:6枚切り半分(1単位)×3単位=6枚切り1枚半(または8枚切り2枚)

たんぱく質食品は、
納豆1パック(1単位)+卵1個(1単位)

これくらいがちょうど良い量ということが分かります。
これに加えて、両手分くらいの野菜があれば栄養バランスばっちりです。

メニュー例としては、

  • ご飯お茶碗1杯150g
  • 納豆
  • 具だくさん味噌汁
  • お浸し

これでしたら、主食・主菜・副菜のバランスも量も理想と言えます。

これを応用して、例えばおかずにジャガイモを1個分(=1単位)食べるなら、ご飯は50g(1単位)減らしてお茶碗小盛り1杯(100g)にする、主菜を鶏もも肉(皮なし)にするなら、鶏もも肉60g(1単位)×2=120gに置き換えることができます。
たら100g(1単位)と冷や奴 小1パック(1単位)でもいいですね。

このように、主食と主菜の量が多すぎたり少なすぎたりしないように調整して、野菜も両手分くらい使うようにすれば、どなたでもおおまかな栄養バランスとカロリー調整ができます。
もしも、用意した食事が目安量よりも多い場合や、野菜が少なかったな、という場合は、その前後の食事で、食べすぎたものは減らし足りていなかった物を増やすようにしましょう。

主食と主菜の量は、何単位分くらいが良いのかは、個人の体格や活動量、治療中の病気、減量が必要かどうかなどによって変わるので、詳しい食事量については主治医の先生や管理栄養士にご相談くださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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院長 溝口哲弘

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