【溝口情報局】悪玉コレステロール改善!栄養相談事例1

今回は、悪玉コレステロールが高い患者さんの実際の生活改善の様子をご紹介します。
あなたにも当てはまる点があるかもしれません。上手くいった方の例を参考にしながら、今日からできることがないか探していきましょう!

悪玉コレステロールの高いAさん

例にあげる患者さんは、こちらです。

Aさん:60代女性
年齢とともに徐々に体重が増え、気づけば20歳のときと比べて体重が10kg増加。痩せたい気持ちはあり、テレビや雑誌で見た様々なダイエット方法を試しているが、どれも続かず、ダイエットは無理だと諦めモード。
50代頃から、健康診断で悪玉コレステロールが高く、医師から注意するようにと言われていた。今年の健康診断で初めて再検査となり、栄養指導を受けることとなった。

仕事:スーパー勤務 週5日出勤(9~14時)
家族構成:家族と同居 夫60代、息子30代
身長:155cm 体重:60kg
喫煙歴・飲酒歴:なし
運動習慣:通勤で自転車 片道10分

女性は、閉経を迎えると女性ホルモンが減って悪玉コレステロールが上がりやすくなります。悪玉コレステロールが高くなるのは、年齢や体質などさまざま原因が考えられますが、食事や運動でも改善が見込めます。Aさんの食生活の改善ポイントを一緒に考えてみましょう。

Aさんのある日の食事内容はこちらです。

時間
食べたもの
朝食: 7時
ご飯、目玉焼き、味噌汁
昼食:14時半
ご飯、チンジャオロース(前日の夕食の残り)、味噌汁(朝食の残り)
間食:16時
買い置きしてあるチョコレート3個、クッキー2枚
夕食:19時
ご飯、サバの味噌煮、卵スープ、キャベツサラダ
夕食後
ポテトチップス1/3袋(週3-4回、スナック菓子やクッキー、チョコレート、息子が買ってくるスイーツなどを家族と食べる)
いかがでしょうか。Aさんの改善ポイントはどこだと思いますか?
食事はバランスよく食べられているので、ここは、お菓子がポイントだと思います。
Aさんにお話を伺うと、甘いものが好きなので、食べない方が良いと分かっていてもどうしてもやめられないそうです。

では、実際にどうやってコレステロールを改善したのでしょうか?

コレステロールを上げやすいお菓子ってどんなもの?

まず、コレステロールをあげやすいお菓子の特徴を覚えておきましょう。

ポテトチップス
クッキークッキーやチョコレート、ケーキ、アイスクリーム、菓子パン、スナック菓子などは、悪玉コレステロールを上げやすいお菓子の仲間です。これらのお菓子に使われているマーガリン、ショートニング、バター、クリームなどは「飽和脂肪酸」というコレステロールを上げやすい脂肪酸が含まれているので、食べる量や頻度に注意が必要です。

脂質が少ない甘い物は、果物、ヨーグルト、高カカオチョコレート、和菓子、ゼリーなどがあります。

間食を見直す2ステップ

ステップ1. 減らせそうな間食を考える

Aさんは、夕方、家事が一段落したときや、テレビをみてくつろいでいる時間にお菓子を食べる習慣があります。さらに、夕食後に家族と一緒に食べることもあります。

お菓子を減らしたいと考えるときは、
「量(1回に食べる量)」・「頻度(食べる回数)」で分けて考えるのがおすすめです。

Aさんに、「減らしやすそうなのはどちらですか?」と伺うと、
「家族が食べている時に自分だけ控えるのは辛いので、夕方一人で食べる習慣を何とかしたい」と話していました。

夕方のお菓子の習慣を見直すことにしたAさん。どのように改善したのでしょうか。

ステップ2. どうして食べたくなるのか考える

Aさんは、もともと甘いものが好きなので、家にあったら、お腹が空いているわけでなくてもついお菓子を食べたくなってしまうようです。

お菓子は毎日買うわけではありませんが、無くなる前に新しい物を買い足して常に家に買い置きがあるようです。いつでもキッチンの戸棚を開ければそこにお菓子があるのなら、食べるのはすごく簡単ですよね。

Aさんの自宅では、お菓子の買い置きがあるのが当たり前になっていたので、この状況を変えていくのが1番有効なのでは?と気付きました。

そこでAさんは、お菓子の買い置きをやめることにしました。今までは、買い物のついでにお菓子を何種類か買うのが当たり前でしたが、お菓子売り場を通らないようにすることに決めました。代わりに、ヨーグルトやゼリー、果物、甘栗、高カカオチョコレートなど、脂質の少ないお菓子を買っておくことを目標にしました。

~1ヶ月後~

1か月後の栄養相談のとき、Aさんは、自宅にあった買い置きのお菓子を食べ切り、今まで毎日食べていたクッキーやチョコレートは自然と食べる機会が減っていました。
Aさんに、「お菓子を減らしたことでストレスは感じていませんか?」と伺うと、
「買うのを止めれば意外と食べなくても大丈夫でした」と話していました。
Aさんは、口寂しいときは我慢せず、無糖のヨーグルトにバナナや冷凍のブルーベリーを入れて食べたり、甘栗や高カカオチョコレートを食べるようにしていました。

「今までは家にある物を何となく食べていましたが、食べなくても良いときは食べず、家族との団欒のときや、甘いものが食べたい!と感じた時は我慢せず食べることで、メリハリがついた」と話していました。

~数ヶ月後~

数ヶ月後の栄養指導では、Aさんは、夕方の間食はほぼ無くなっていました。
お話を伺うと、今まではテレビを見ながら何となく食べるのが癖になっていたことに気付いたので、特に見たいテレビがないときはテレビを見ないようにしたそうです。「代わりに、YouTubeのストレッチの動画を見てストレッチをするようになり、肩こりが減りました」と笑顔で話していました。

笑顔の女性こうして、Aさんは1年後に悪玉コレステロールを目標値よりも下げることができました。

Aさんの成功ポイントをまとめると、

1) 減らせそうな間食を考える
Aさんの場合は、夕方に毎日食べていた間食の頻度を減らせるように考えました。
2) どうして食べたくなるのか、状況を振り返る
自宅に買い置きがあり、いつでも簡単に食べられる状況だったので、買い置きをやめることで食べるきっかけを減らす事に成功しました。
3) 代わりの行動を見つける
テレビを見ている時にお菓子が食べたくなるので、テレビを見る代わりにできることを考え、お菓子への意識を減らす事ができました。

このように、今までの習慣を変えていくことで、無理なく悪玉コレステロールを改善した方もたくさんいらっしゃいます。
うまくいく方法は人によって違うと思いますが、皆さんの参考になると嬉しいです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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院長 溝口哲弘

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