【コラム】運動を効率よくするにはどうしたらいいの?

 

Aさんの顔58歳 女性のAさん 身長 150㎝ 体重 54㎏
おやつが楽しみで「主食を抜いても和菓子やケーキを食べたい」と考えている。間食は1日2-3回程度で、家にいて暇なときはつい食べてしまう。体重も増えてきていて気をつけなきゃと思っているが、ご飯の量を減らしているから大丈夫だと考えています。
運動が苦手なAさんでしたが、食後に意識して体を動かすことで食後高血糖を下げる方法を知りました。どんなふうに取り組んでいたのでしょうか?

栄養士(小)栄養士:あけましておめでとうございます、今年もどうぞよろしくお願いします。

 

Aさんの顔Aさん:明けましておめでとうございます。こちらこそよろしくお願いしますね。

 

栄養士(小)栄養士:さて早速ですが、前回食後に体を動かすことを意識してみましょうということでした。どうでしたか?

 

Aさんの顔Aさん:昼ごはんのあとに買い物に行くようにしているのだけれど、その時は必ずお店の中をぐるっと1、2周回ってから買い物をしてみました。ついでに歩くくらいならと気楽にやれてよかったです。

 

栄養士(小)栄養士:いいですね、普段の生活の中で活動量を増やすということが大切ですね!それから年末年始は普段の生活と大きく変化はありましたでしょうか?間食の頻度や食事の内容などいかがでしたでしょうか?

 

Aさんの顔Aさん:そうですね…、つい親戚が集まったり、孫が来たりしたので間食の頻度は増えてしまったからしらね。みんなで一緒にってなると断りにくいし、楽しみにしていますので…。やっぱりダメですよね。

 

栄養士(小)栄養士:お孫さんや親せきの方と楽しい時間を過ごされたのですね。皆さんが食べているのに自分だけ食べないのは、お辛いですよね。食べたいときや雰囲気的に食べるときがあると思います。そのような時は、食事の後にこまめに体を動かしたりして、食べた分のエネルギーを消費することを意識しましょう。

 

Aさんの顔Aさん:なるほどね、食べた分動けば少しは気持ちも楽になりそう。何もしないと「あーダメだな」と思ってしまうので。運動ね…。始めないといけませんね。

 

栄養士(小)栄養士:今後何か取り組めるものを探していきましょうね。しかし今は買い物のときに積極的に歩くことを意識されてますので、まずは慣れること、それから効率アップを目指しましょう。

 

Aさんの顔Aさん:そうね、外で体を動かすことは今の時期だと外は風が強かったりして寒いからやる気が出ないけれど、お店の中なら風もないし、ついでだからやりやすいのもいいわね。

 

栄養士(小)栄養士:そうですね、大きなショッピングモールでのウインドウショッピングをしながらウォーキングをするのも最近はおすすめされていますね。やはり室内なので気候に関係なくできるのは継続するための一つのポイントですね。

 

Aさんの顔Aさん:確かに、ウインドウショッピングは終えると疲れることの方が多いから、意外と歩いているのかもしれないですね。

 

栄養士(小)栄養士:そうなんです、もし機会があれば歩数などをチェックすると面白いかもしれませんね。今回はAさんが活動量を増やすように意識してくださってますから、効果的に血糖値を下げる運動についてお話しさせてください。

 

Aさんの顔Aさん:ありがとうございます。運動はまあ始めたいとは思っているけど実行できていません。でも実際やるならどんなのがいいかは知りたいですね。

 

栄養士(小)栄養士:興味を持ってくださって嬉しいです。まず運動には3種類あり、有酸素運動とレジスタンス運動、ストレッチの3つがあります。聞いたことはありますか?

 

Aさんの顔Aさん:有酸素運動とストレッチは聞いたことあります。歩いたり走ったりとかそういったのが有酸素運動で、ストレッチは体を伸ばしたりするイメージですね。

 

栄養士(小)栄養士:その通りです、ほかにも有酸素運動はサイクリングや水泳など全身を使って、10分以上継続する運動を指します。そしてレジスタンス運動というのは、スクワットや腹筋、ダンベルなどのややきついと感じるような筋力トレーニングを指します。最後ストレッチは血の流れをよくして代謝を上げる体ほぐし運動を指します。それぞれ下のような効果があります。

運動の種類

運動の効果

有酸素運動

  • エネルギーの消費量が増え、脂肪を燃焼させる

  • 体を動かし持久力がアップ、疲れにくい体になる

  • 食後に行うことで、食後高血糖の改善効果

  • インスリンの抵抗性改善

レジスタンス運動

  • 筋肉が増え、基礎代謝量が増える

  • 脂肪を燃焼しやすい体になる

  • 筋力アップで日常生活の動作が行いやすくなる

  • 消費エネルギーが増加する

  • インスリンの働きがより効果的になる

ストレッチ

  • 筋肉をほぐし、血流をよくすることで代謝アップ

  • 関節や体の動かせる範囲が広がる

  • リラックス効果があり、体が軽くなる

  • 肩こりや腰痛の改善

 

Aさんの顔Aさん:それぞれ効果がちがうのですね、運動というと痩せる、筋肉がつくなどのイメージしかなかったですね。

 

栄養士(小)栄養士:運動は身体面だけでなく、リフレッシュ効果など精神的な面でも効果があるともいわれています。そしてAさんが今行っている食後の買い物は、有酸素運動ですから食後の高血糖を改善するには効果的です!

 

Aさんの顔Aさん:そうなのですね。そんなに意識していなくてもできていたというのは嬉しいですね。

 

栄養士(小)栄養士:そして、有酸素運動と筋肉を増やすレジスタンス運動を組み合わせるとより、血糖値の下がりやすい体にすることができます。食事からとった糖は血管の中を流れていきますが、ずっと血管内にあると悪さをしてしまいます。体は糖をどこかへしまったり、使おうとします。その時に行く場所が、筋肉や脳、脂肪細胞などです。ですから筋肉量が増えれば、しまう場所、使う場所が増えるので血糖値を下げやすくすることができるのです。つまり血糖を下げる運動としては有酸素運動とレジスタンス運動がオススメです。

血糖の流れ

Aさんの顔Aさん:なるほど…。筋肉を増やすというのは大事なのですね。痩せればいいのかなと思っていました。でも筋トレなんて中々できないですよ…。

 

栄養士(小)栄養士:筋トレというと、少し敷居が高いかもしれませんね。でも日常生活の動きの中に筋トレの要素を取り入れることもできます。それはながら運動です。例えば、歯を磨いている間や料理の間にハーフスクワットや片足立ち、かかと上げをするだけでも、座ってするより活動量は増え、筋肉を刺激することができます。ほかにもテレビを見ながらやテレビのCM中、料理の間など何かのついでに行うことができます。

 

Aさんの顔Aさん:あ、そんな感じでいいんですね。なんだかすごく大変なイメージだったので、ながらでできるのはいいですね。歯磨き中の片足立ちはできそうって思っちゃったわ。

 

栄養士(小)栄養士:日常生活のついでが無理なくやれるコツだと思います。ぜひできそうと思った運動をやってみてくださいね。そして運動にもより効果的な時間や頻度があります。

運動の種類

運動のコツ

有酸素運動

  • 10分以上続けて行う

  • 130分以上が目標

10×315×2など細切れもOK

  • 運動強度:やや息が弾むくらいの運動

レジスタンス運動

  • 23回を目標に行う

  • 普段あまり意識していない、体幹部分のトレーニングが効果的

  • ゆっくりを意識して運動効果UP

  • 力を入れるときに息を吐く

ストレッチ

  • 普段使っていないような、体幹部分の大きな筋肉を伸ばす

  • 新陳代謝がUPする

  • 伸ばす部位を意識し、伸ばすときに息を吐く

  • 1020秒かける

 

Aさんの顔Aさん:有酸素運動は時間的には30分が目標なんですね。思ったより長いかもしれないですね。

 

栄養士(小)栄養士:そうですね、ちなみに今買い物のときはどのくらい歩いているのですか?

 

Aさんの顔Aさん:そうですね、買い物全体では45分くらいで終えることが多いから、約10分くらい歩いていたらいいくらいかしらね。

 

栄養士(小)栄養士:なるほど、買い物は止まる時間も多いので、買い物前後で歩く時間を確保できると、より効果的と言えますね。

 

Aさんの顔Aさん:確かに、それなら10分間歩けるように時計を見ながら歩いてみようと思います。10分歩くってどのくらいかわかっていないですし。

 

栄養士(小)栄養士:それはいいですね、時間を意識してみましょう。実際今歩かれている時間も分かりますしね。

 

Aさんの顔Aさん:そうですね、可能なら買い物に行くときに歩いていきたいのだけれど今は寒いから難しそうね。スーパーまでは歩いて10分くらいなので…。

 

栄養士(小)栄養士:距離的にちょうどいいくらいですね、暖かくなってきたら始めてみましょう。そのように運動としてではなく、まずは日常の生活の中で体を動かすように意識してみることがとても大事です。ちょっとした移動を歩いたり、お店までの駐車場での歩く距離を増やしたり意識するだけで色々増やせるかもしれませんね。

 

Aさんの顔Aさん:ちょっとできそうなことがないか意識してみようかしらね。

 

栄養士(小)栄養士:では次回どんな気づきがあったか教えてくださいね。楽しみにしています!

今日のおさらい 2-6

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院長 溝口哲弘