袋井市浅岡 医療法人社団MFC 溝口ファミリークリニック:総合内科・小児科 生活習慣病:糖尿病・高血圧・高脂血症対策に力を入れています。院内処方  診療圏:袋井市・磐田市・掛川市・浜松市 

医学論文まとめ

医学論文のまとめ

結果を意訳していますので、詳しく知りたい方は原著論文をご参照ください。
医療関係者外の方へ
医療・医学研究という物は個人差のある人間という生物を相手に行うものであり、断言調であっても、全ての方にとって有効や真実であると言う訳ではありません。一つの治療であれば、有効であった人の数が無効であった人よりも差を持って多かったということであり、全ての人に当てはまる訳ではないことを勘違いなさらないようにご注意ください。

小児の卵アレルギーに対する治療法としての経口免疫療法
卵アレルギー児に対する治療法として,卵白粉末を用いた経口免疫療法を評価した研究.10 ヵ月間の治療後,経口免疫療法群の 55%が経口食物負荷試験に合格し,脱感作されたとみなされたが,プラセボ群では合格例はなかった.22 ヵ月後には,経口免疫療法群の 75%が脱感作された.経口免疫療法群では,28%(40 例中 11 例)が,24 ヵ月の時点での経口食物負荷試験に合格し,持続的不応性であるとみなされた.24 ヵ月の時点での経口食物負荷試験に合格した児は,全例が 30 ヵ月,36 ヵ月の時点で卵を摂取していた.測定した免疫マーカーのうち,プリックテストでの膨疹径が小さいことと,卵特異的 IgG4 抗体値が上昇していることが,24 ヵ月の時点での経口食物負荷試験合格に関連した。
(N Engl J Med )
→スギ花粉症でも舌下免疫療法を実施している機関が日本でもごく少数。
時間と手間がかかり、保険非適応なので、自費診療となっています。

ロタウイルスワクチンと腸重積
ブラジルとメキシコで行われたロタウイルスワクチンと腸重積の危険性と健康上の利益に関しての調査報告。RV1(1価ロタウイルスワクチン) は,接種児約5万1千~6万8千人あたり 1人の割合で腸重積になりやすいが、ワクチン接種によって毎年,2カ国毎年下痢による入院約8万人,死亡約1万3千人件が予防されると推測された.
(N Engl J Med )
→ロタウイルスワクチンが使えるようになりました。ワクチンができるのは非常にいいことだが、風邪のひきやすい乳幼児にとって、ワクチンの接種計画を作るのが難しくなってきますね。

喘息における気道リモデリングに対する気管支収縮の影響
好酸球性気道炎症よるとされ、長期予後に影響を及ぼす気道リモデリング。実験的に誘発した反復的な気管支収縮により、軌道の構造変化に影響を与えるかどうかを調べた喘息患者48名の研究。実験の結果、喘息患者では,気道炎症がなくても気管支収縮によって気道リモデリングが誘発される。
(N Engl J Med )
→気管支収縮を防ぐことが重要な要素になってきます。

セレンと軽度のバセドウ病の眼症の経過
酸素フリーラジカルとサイトカインは,バセドウ病眼症の病因の一端を担っているとされており、RCTにて軽度のバセドウ病眼症患者 159 例を対象に,セレン(抗酸化薬)とペントキシフィリン(抗炎症薬)の効果を検討した研究.結果としては、軽度のバセドウ病眼症患者に対するセレン投与により,QOL の有意な改善が認められ,眼症状が減少し,疾患の進行が抑制された。ちなみに、セレンを多く含む食品はこちら?
(N Engl J Med )
→ちなみに、バセドウ病の眼症は煙草により悪化するので、禁煙は必須です。日本人のセレン摂取量は必要量よりも多く、サプリメントで補充すると中毒になってしまう可能性があるため、注意が必要です。

農家の子供とアトピー性皮膚炎・気管支喘息
農家で生活している子供たちは、様々な環境微生物に触れることが多く、アトピー性皮膚炎や気管支喘息になる頻度が少ない。
(N Engl J Med )
→田舎で遊ばせることはアトピー性皮膚炎や気管支喘息になる可能性を低くします。飼い犬がいるとアレルギ―性疾患になりにくいという報告もありますが、いずれにせよ短時間の接触だけでは意味がなく、TV等で動物園に行くと良いと言う報道もありますが、動物園のそばに住んでいて、連日の様に遊びに行くと言うのでなければ意味はありません。

成人男性に対するHPVワクチンの有効性
20歳前後の男性で,4価 HPVワクチンによって,HPV6型,11型,16型,18型の感染と HPV 関連外性器病変の発生が予防される。
(N Engl J Med )
→子宮頸癌予防のワクチン(サーバリックス)はHPV16型,18型が原因であり、男女の性行為により感染を防ぐ意味でも、今後は男性もワクチンを打つ必要があるかもしれません。

2歳未満の急性中耳炎の治療
生後 6~23 ヵ月の急性中耳炎患児に対して 10 日間アモキシシリン・クラブラン酸(AMPC/CVA)による治療を行った結果,症状消失までの期間が短縮される傾向がみられると同時に,全体的な症状が軽減され,耳鏡検査で急性感染症の徴候の持続を認める割合が低下した.
(N Engl J Med )
→但し、最初の症状消失は,
   AMPC/CVA 偽薬
2 日目  35%  28%
4 日目 61% 54%
7 日目 80% 74%  と差があるものの、自然軽快することも多く、急性中耳炎の多くがウイルス感染であることを考慮すると抗生剤を使うかどうかは、依然医師により判断が分かれると思います。

熱中症の重篤化に関与する遺伝子のタイプを確認
熱中症で、「体温40℃以上」で、かつ「意識障害またはけいれん」の症状があった重篤患者(熱射病患者)の遺伝子を解析したところ、CPTⅡが熱不安定型のたんぱく質となる遺伝子のタイプが通常(13.9%~19.8%)よりも高い確率(11人中5人:45.5%)で確認した報告。
(日本救急医学会雑誌)
高体温においてATP産生が低下することにより、細胞内での“エネルギー危機”をもたらす体質を持つ人が日本では13.9%~19.8%の範囲で出現しており、これは、遺伝子を原因とする熱不安定型CPTⅡの存在によるものであることが徳島大学・疾患酵素学研究センターにおいて見出されています。外部環境が熱中症の主たる原因とされることが多いのですが、日本人の6人に1人が熱中症になりやすいと運動部を指導する先生や高熱環境で仕事をする職場をもつ経営者の方々に知っておいて欲しい内容です。
尚、なお、インフルエンザで40℃以上の高体温が続き、インフルエンザ脳症として重篤化した人の遺伝子タイプの解析においても、CPTⅡが熱不安定型のたんぱく質となる遺伝子のタイプを持つ場合が46.2%と高頻度で確認されています。

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