【コラム】アルコールについて その5
30代男性のOさん 体重75㎏ BMI 25.0㎏/m² 一人暮らし
営業職として会社勤務、出張が多く飲み会の頻度も多い。飲酒も好きで晩酌をしている。最近は飲み会が続くことが多い。さてお酒との付き合い方を変えてきていたOさん。HbA1cも6.9%と7.0%を切るようになりました。前回からどんな変化があったのでしょうか?
栄養士:Oさん、こんにちは。雨の多い日が続きますね。
Oさん:こんにちは、ほんとですね。だいぶ暑くもなってきていますね!いつもならビールが増えてしまうのですが、ビール3杯まで抑えることができました。
栄養士:素晴らしいです!まずは目標達成ですね。3杯でも続けられそうですか?
Oさん:そうですね、会社の同僚に今の状況を話したら、3杯目でストップをかけられるようになり、協力してくれています。飲み会の頻度も以前より減っているので、飲む機会が少なくなりました。
栄養士:同僚の方も協力的なのは嬉しいですね。ご自身の体調のことを事前に伝えることは大切ですね。飲めない状況であることを先に伝えることはいい方法だと思います。
Oさん:付き合いで飲まざるを得ない時もこの方法を使おうかと思います。人に言うことで自分もより気をつけるようになるので!
栄養士:素晴らしいです!アルコールに関してかなり良くなってきましたね。さてこれまで数か月お話をして実践されていますが、何か困ったことはありませんか?
Oさん:そうですね…あっ!ずっとラーメンはやめているのだけど、だんだん食べたくなってきていて…。どうしても食べてはだめでしょうか?
栄養士:そうですか、食べたいんですね。初めてお話したときに〆のラーメンは控えましょうとお話ししましたもんね。実は糖尿病の方の食事でこれを食べてはいけない食品は基本的にはありません。前回は〆のラーメンが4食目になっていたの控えましょうという意味でした。基本的にはバランス良く食事を摂ることが大切です!
Oさん:そうなんですね、色々制限をしないといけないと思っていました。
栄養士:もちろん気をつけた方が良い食品もあります。好きなだけどうぞとは言えませんが、上手に食べる方法もありますよ。
Oさん:よろしくお願いします。
栄養士:まずバランスの取れた食事というのは「主食・主菜・副菜」の3つのお皿が揃っている状態を指します。では3つのお皿について1つずつ説明していきますね。
まず1つ目は主食!主食はご飯やパン、麺類など私たちが体を動かすときのエネルギーになります。
主食の例→ごはん、食パン、ラーメン、そば、うどん、そうめん、スパゲッティ
2つ目は主菜!主菜は肉・魚・卵・大豆製品などが主に使われており、筋肉や骨、代謝の回転をアップさせる働きがあります。一般的にメインのおかずと言われているものです。
主菜の例→ハンバーグ、鶏のから揚げ、焼き魚、刺身、煮魚、オムレツ、麻婆豆腐、納豆など
そして最後の3つ目は副菜です。副菜は野菜類やきのこ、海藻類などが使われており、ビタミン、ミネラル、食物繊維が体の調節をしてくれます。
副菜の例→サラダ、お浸し、きんぴらごぼう、酢の物、キノコのソテー、ひじきの煮物、煮物 など
この3つのお皿が揃うことで必要な栄養素を上手に摂取することが出来ます。それに様々な栄養素が揃うことで吸収の効率がアップし、体の中で上手く使われます。また副菜は満足感を出し、血糖の吸収を緩やかにしますので、血糖値の上がりすぎを抑えてくれます。
Oさん:なるほど、バランスを揃えるのはそういった意味があるのですね。そうするとラーメンの時は炭水化物は摂れますが、主菜と副菜は不足していますよね。そういう時はラーメンにおかずを付ければいいのですか?
栄養士:素晴らしい!理解が速いですね。主菜、副菜が含まれる単品メニューを追加するのもいいですし、ちゃんぽんなど魚介類、豚肉などのたんぱく質の多い食材を含み、野菜などが多く使われているメニューを選ぶのもいいです。
具のトッピングなどが出来るなら、追加で加えるのもいいでしょう。サラダなどの野菜料理を別で注文して野菜料理を先に食べることは満腹感や血糖上昇も緩やかにするのでいい方法だと思います。
Oさん:なるほど、メニュー選びでも気をつけられるのですね。いつもは何となく決めていたから少しメニューをじっくり見てみます。
栄養士:まずは意識をしてみましょう!外食メニューはエネルギーや糖質、塩分が高く味が濃い傾向にあります。特にラーメンやうどんなどの麺類は具が少なく、タンパク質や脂質に比べて、炭水化物の量が多くなりがちですので注意が必要です。
炭水化物のみの食事ですと糖質の量が多くなるので、血糖値が一気に上昇します。食後に血糖値が高くなると血管への負担が大きくなるので、合併症のリスクが増えます。また高くなった血糖値を下げようとインスリンを多く出すので、すい臓に負担をかけてしまいます。
つまり単品食べというのは血糖値の働きを考えた場合でも控えた方がいいと言えますよね。
単品になるときは食品数の多い具だくさんのものを選びましょう。
大盛りを頼まれている場合は並盛に変えたり、丼の主食を残したり雑穀などが選べる場合は是非、雑穀米を選択したりして、食物繊維を増やしましょう。
そんな時は、大盛りを頼まれている場合は並盛に変えたり、主食をあえて残したり。雑穀などが選べる場合はぜひ雑穀米を選択したり工夫をしてみましょう。
例) ざるそば、けんちんうどん → 鍋焼きうどん、けんちんうどん、
冷やし中華、ざるそば+トッピング
ラーメン、チャーシュー麵 → 野菜炒め+ラーメントッピング、
ちゃんぽんめん、野菜あんかけラーメン
かつ丼、牛丼 → 中華丼、ビビンバ 丼ご飯なら1/3程度残す。
酢の物やサラダをプラス など
Oさん:食事の時もご飯を大盛りにしたり、コンビニでも特盛サイズなどを選んでいたので、普通サイズを選ぶように気をつけてみます。
栄養士:いいですね、早速取り組んでみてください!もし時間があるのであれば、丼ものや麺類などの単品メニューよりも定食スタイルの食事の方がバランスはとりやすいかと思います。小鉢料理が何種類かついている定食など選べるとよりいいですね。
Oさん:そうですよね、定食スタイルの方が色々なおかずもあってバランスが良さそうなのは分かりますが、毎回店で食べているわけでもないので。コンビニとかならどうしたらいいでしょうか?おにぎりとチキンや豚しゃぶの乗ったサラダとか惣菜の野菜炒めなどをプラスすることでもいいですか?
栄養士:素晴らしいです!買ってくる場合も3つのお皿のルールは変わりませんので、3つのお皿は選ぶ時の目安にしてくださいね。
Oさん:食事の時もご飯の大盛りをしたり、コンビニでも特盛サイズなど選んでいたので、普通サイズを選ぶように気をつけてみます。できれば野菜が多く使われているメニューをさがしてみようかな。
栄養士:主食の炭水化物の量を調整して他のおかずに変えて、満足感は減らないように工夫してみてくださいね。主食を減らしすぎて間食が増える方もいますので!
Oさん:確かに、食事が減ったから間食を食べたら意味がないですね。心に留めておきます。
溝口ファミリークリニック
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院長 溝口哲弘