【コラム】知っていますか?風が当たるだけで痛い 痛風について

こんな痛み、もう2度と経験したくない!

こんにちは。溝口ファミリークリニックです。みなさんは、痛風のことをご存じでしょうか?風が当たるだけでも痛いと言われる、恐ろしい病気です。痛風発作を起こしてしまい、足を引きずって診察室に入って来られる患者さんもいますし、腫れてしまって普段の靴が履けず、サンダルで来られる方もいます。「あの痛みはもう2度と経験したくない!」と話す方も多いので、予防したいですね。

そもそも痛風とは

痛風を痛がる人血液を流れる尿酸が高い状態が続くと、尿酸が固まって結晶になります。これが関節で炎症を起こした状態が痛風発作です。
尿酸は、体の中で「プリン体」という物質からつくられます。体の中でエネルギーを作るときや、食べ物からプリン体を摂ると「尿酸」が作られ、尿の中に排泄されます。
食事量が多く、外から入ってくるプリン体が多かったり、体からうまく排泄できなくなったりすると、血液中の尿酸の濃度が上がり結晶化しやすい状態になります。この状態が続くと痛風発作が起こりやすくなるのです。

自分の尿酸値、すぐに答えられる?

尿酸値が7.0㎎/dlを超えると高尿酸血症という診断がつきます。高尿酸血症の方は、痛風になりやすい上に、高血圧や脂質異常症、糖尿病などの他の生活習慣病にもなりやすいといわれています。ぜひ、最近の血液検査の結果を振り返ってみてください。

痛風の治療

痛風による痛みがある場合、痛みを抑える治療を行います。痛風発作が治まり痛みがなくなったら、尿酸を下げる治療(尿酸が作るのを抑える薬や排せつを促進する薬の内服)を開始します。あわせて生活習慣の改善が重要になります。

一言で生活習慣の改善と言っても、すぐに全て良い状態にできる訳はありません。
厳格な飲酒制限や食事制限はかえってストレスになり暴飲暴食を招いたり、過度な運動は膝や腰を痛めたりする場合もあります。
薬でのコントロールと共に、日々の生活の中でできる事から少しずつ見直していけば良いのかなと思います。

薬でのコントロールの方法や食生活のポイント、飲酒の量、どういった運動が良いのかなど、医師や管理栄養士とよく話し合っていきましょう。

痛風かも!?と思ったら

対処法は?

痛みが起こった場所を心臓より高くして冷やしましょう。温めたりもんだりすると逆効果です。無理に歩き回るのも禁物です。できるだけ安静にしましょう。

何科にかかればいい?

整形外科なのか、内科なのか、どこに行けばよいのか悩む方もいらっしゃると思います。

転んだり、ぶつけたり、ひねったりと、どこかで痛めた覚えがなければ、整形外科よりも内科の方がよいかもしれません。
健診で尿酸値の指摘があったり、家族に尿酸が高い人がいる家系の方も注意が必要です。
不規則な食事や食べ過ぎ、飲み過ぎ、運動不足も大きく関係しています。
十分な水分補給をしておらず脱水になったときや、ハードな運動も痛風発作を起こすきっかけになります。

一方で、痛風かも?と思いきや、痛風でないことも時々あります。腫れが少なく、足の指以外の部分も痛みが出ているようなら、痛風の可能性は低いかもしれません。しばらく体を動かしていなかった人が運動を始めたり、過度の負荷をかけたときに骨が悲鳴をあげることもあります。

まとめ

「この痛みは何なのか?」
痛みが出た時の状況や腫れの具合、血液検査結果など、さまざまな情報から診断します。
痛風や高尿酸血症の患者さんがたくさん通院している経験豊富な医師のところに受診するのが安心ですね。「痛風発作以外の病気がかくれているかもしれない」という視点で、注意深く診察をしてくれる内科のクリニックに相談してみてはいかがでしょうか。

当院では、症状や経過をお聞きして総合的に診断し、症状にあった薬を処方します。痛風の場合は生活習慣を見直すことで、再発予防や薬無しの治療もできます。管理栄養士による栄養相談も行っています。どうぞお気軽にご相談ください。