【溝口情報局】血糖値を下げる運動法~何をどのくらいやるのが良い?~

今回は、前回に引き続き「運動」をテーマにお伝えします。
運動をすると、血糖値が下がる、体重が減る、筋肉が増える、コレステロールや血圧が下がる、爽快感が得られる、認知症や骨粗しょう症の予防になる…など、心にも体にも良い効果が得られます。
今回は、糖尿病を予防・改善するために、どんな運動をどのくらいするのが良いのか、目安が理解できる内容になっています。ぜひ最後までお読みください。

運動の種類と効果

運動には、大きく分けて有酸素運動と筋力トレーニングの2種類があります。
有酸素運動は、長時間続けやすい、ウォーキング、ジョギング、自転車、水泳、エアロビクス、ハイキングなどが代表的です。筋力トレーニングは、スクワット、腹筋、腕立て、ダンベル運動などを指します。

有酸素運動
筋力トレーニング
ウォーキングをする女性ウォーキング
ジョギング
水泳
自転車など
種類
スクワット
腹筋
腕立て
かかと落とし
ダンベル運動など
脂肪を燃やす
主な効果
筋肉を増やし、基礎代謝をあげる
20~60分
1回の
時間・回数
10~20回を1~3セット
週3回以上
週に合計150分以上
頻度
週2~3回
(連日にならないように)
「体を動かす」ということは「筋肉を動かしている」ということです。筋肉を動かすためには、エネルギー源としてブドウ糖(血糖)が必要です。体を動かせば、血液中のブドウ糖がエネルギー源として筋肉に取り込まれるので、血糖値が下がります。
さらに、定期的に運動をすることで、「インスリンの働きがよくなる」というメリットもあります。
糖尿病は、血糖値を下げるホルモンのインスリンの働きが弱くなったり、インスリンの出る量自体が少なくなる病気です。運動を習慣にするとインスリンの働きが良くなり、血糖値の改善につながります。

どんな運動をどのくらいするのがよいか

日本糖尿病学会によると、糖尿病を改善する運動の目標として、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、1回に20分~60分、週に3回か、1週間の合計で150分以上行うことを勧めています。
スクワットや腹筋などの筋力トレーニングは、10~20回の運動を1セットから始め、慣れてきたら2セット、3セットに増やしていきましょう。週に2~3日を目安に行います。初めから頑張りすぎると体を痛めてしまう恐れがあるので、だんだんと体を慣らしていけるといいですね。

運動の効果をより発揮するためには、「数日連続で運動して、数日続けて休む」よりも、「2~3日に1回の頻度」でコツコツ行うことがポイントです。
なぜかというと、運動がインスリンの働きをよくする効果は約48時間といわれているためです。例えば週末にまとめて行うよりも、2~3日に1回、短時間でもこまめに行う方が効果が得られやすいのでおすすめです。

どのくらいの強度がよいか

最後に、どのくらいの強度(きつさ)で行うのが良いのかお話します。
同じ運動をしても、体にかかる負担は人それぞれ違います。そのため自分に合った強さの運動を行うことが大切です。楽過ぎると運動の効果が上がりませんし、逆にきつ過ぎると、疲れてしまって運動が続かなかったり、心臓に負担がかかる場合もあります。

目安は、「おしゃべりしながら続けられる」程度か「息が弾んで軽く汗ばむ」程度です。
大まかな脈拍数の目安はこのくらいです。年齢やご自身の体力にあわせ、無理のない範囲で行いましょう。

糖尿病運動療法における適度な脈拍数の目安
59歳以下・・・100~120拍/分
60歳以上・・・100拍/分以内

まとめ

「有酸素運動」と「筋力トレーニング」の2つの運動を日常的に行うことが、糖尿病に効果的な運動療法といわれています。

階段を上る人もちろん、今回お伝えした内容の通りにやらないと効果がないわけではありません。
体を動かすように心がけることは、糖尿病や肥満だけでなく、さまざま病気の予防改善に有効です。
なかなか時間がとれない方でも、座っている時間を短くする、すきま時間で足踏みをする、階段を使う、通勤を自転車にしたり、歩く時間を増やすなど、方法はたくさんあります。

ちょっとした工夫次第で、活動量は増やすことができますよ。ご自分のできることから一歩ずつ生活習慣を変えていけるといいですね。

<血糖値を下げる運動動画>
【1回5分】自宅でできる運動
【1回2分】座ったままできる運動

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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院長 溝口哲弘

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