【健康まめ知識】生理について 第5回

大喜びの女性地域の皆さんの幸せと健康を願う当院。
今回は女性の健康を考える上では欠かせない「生理」について、10回にわたってお伝えしていきます。

正常な生理とはどういう状態なのか、年齢による変化はあるのか、月経前症候群(PMS)や生理痛を和らげるにはどうしたらよいのか…といった様々な情報を掲載予定です。
本情報により、少しでも皆さんが快適に過ごせるお手伝いが出来たらと思います。

月経前症候群(PMS)の原因

月経前症候群(PMS)は症状がさまざまなので、原因もいろいろありますが、「プロスタグランジン」と2つの女性ホルモン「エストロゲン」・「プロゲステロン」がアンバランスになることで起こると考えられています。女性ホルモンの周期とその時の女性の体調

「エストロゲン」は女性らしいことを司るホルモンです。生理を起こすほかに、コラーゲンを作ったり、脂肪の新陳代謝をよくしたりします。つまり肌や髪をキレイにして、女性らしい丸みを帯びた体つきにします。また、骨にカルシウムを吸着させて骨を丈夫にもします。

「プロゲステロン」は妊娠するのに必要なホルモンです。受精卵が育つために、エストロゲンが厚くした子宮内膜を、より着床に適した状態にしたり、母乳を作る乳腺を発達させたりします。

2つの女性ホルモンは脳から指令され分泌されるのですが、これは加齢やストレス、やせや肥満といった体系からも影響を受けて、量が変化します。つまり、PMSや生理痛の症状はずっと変わらないということはなく、加齢や体形の変化、出産といったライフイベントにより軽くなったり重くなったりすることがあるのです。

なぜ生理前にPMSが起きる?

むくみが気になる女性生理前は、妊娠に向けて子宮を最適な状態にするために水分や栄養を蓄えようという時期です。蓄えた栄養は子宮に集中するため、体のほかの部分の栄養が不足して、その結果、頭痛やこむら返りなどが起こったりします。また、水分も蓄えられやすくなるため、むくみやすくなったりします。この「栄養をためなさい!」という指示を出すのが「プロゲステロン」です。

また、「プロゲステロン」にはインスリンの働きを悪くさせる作用もあります。インスリンが働きづらくなるということは、血糖値が上がるということ。これを止めようとして分泌されたアドレナリンにより攻撃的になったり、イライラしたりします。また一方では、血糖値を下げようとして多すぎるインスリンの量を出してしまい、今度は血糖値が下がりすぎます。そのせいで眠くなったり、血糖値を上げようとして甘いものが食べたくなったりと食欲が暴走したりします。このように、血糖値が乱れやすくなることがPMSの正体の一つです。

また生理前には「セロトニン」というホルモンが少なくなってしまい、疲労や不安、抑うつ、イライラなどを感じさせるようになります。

生理前のメンタル不調はあなたのせいではありません。「ホルモンの大暴走」ととらえましょう。

次回は、食事と生理についてです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

【参考文献】
自分の体を守る正しいデータを持てなかった女性たちへ
生理で知っておくべきこと
予防医療コンサルタント 細川モモ

溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘