【健康まめ知識】生理について 第8回

大喜びの女性地域の皆さんの幸せと健康を願う当院。
今回は女性の健康を考える上では欠かせない「生理」について、10回にわたってお伝えしていきます。

正常な生理とはどういう状態なのか、年齢による変化はあるのか、月経前症候群(PMS)や生理痛を和らげるにはどうしたらよいのか…といった様々な情報を掲載予定です。
本情報により、少しでも皆さんが快適に過ごせるお手伝いが出来たらと思います。

食事と生理

オメガ3系の油

生理の血を出すために子宮が収縮するように指令を出すのが「プロスタグランジン」という物質で、それが痛み物質でもあるため生理痛の原因になると説明しました。

青魚この痛み物質は、油でできています。油にも種類があり、痛みのもとになるのはサラダ油、バター、肉に含まれる油、牛乳や生クリームなど「オメガ6系」と呼ばれる油です。対して、エゴマ油、亜麻仁油、魚に含まれる油があります。これらは痛み物質の逆で、生理痛を軽くします。「オメガ3系」と呼ばれる油です。

理想の状態はこの2つの油の割合が、オメガ6系:オメガ3系=4:1になることです。オメガ6系が悪いわけではありません。体にとって大切で、体中の細胞の膜を作るのにつかわれます。しかし、現代の日本人はオメガ3系の油がほとんど取れていません。

ちなみに、オリーブオイルやゴマ油、アボカドなどは「オメガ9系」です。オメガ9系は酸化に強く、加熱料理に向いています。

オメガ3系の油はできれば毎日とりたいところです。人の体では作り出せないからです。特に血液をサラサラにするEPAは食事からとった量に血中濃度が比例します。どうすれば手軽にとれるでしょうか?

オイル亜麻仁油やエゴマ油は、そのままスムージーやサラダに混ぜて食べることで手軽に取れます。ただし、これらはαリノレン酸と言って、体内でDHAやEPAに返還される率はわずかです。また、変換できない人もいます。よって、できれば魚で取ることが望ましいです。しかし、毎日は難しいので控えとして亜麻仁油やエゴマ油を使うことを考えましょう。

魚を普段とれている人たちの行動をまとめたところ、

  • 調理のいらない刺身を買って食べる
  • サケフレークやシラスを買っておいて、ご飯にかける
  • ランチは魚が食べられるお店に行く
  • 魚の缶詰をおかずに1品足す

などがありました。

オメガ3系の注意点は加熱です。揚げると50%、煮る・焼くと15%が消失します。

たんぱく質を取るメリット

体のほとんどのものは、たんぱく質からできています。たんぱく質は生理痛やPMSの解消にも役立ちます。

・ホルモンの材料になる
たんぱく質はホルモンの材料です。不足してしまうと、ホルモンバランスが乱れてしまいます。

・鉄分を体に吸収させるために必要
貧血をよくするための鉄分は、たんぱく質がないと体に吸収されません。また、たんぱく質は血液の材料でもあります。たんぱく質には血液中の水分の量を調整する働きがあるので、これが少ない人はむくみやすくなります。

・筋肉をつけて体温を上げると、生理痛がよくなる
平熱が高い人は、生理痛がない人が多いです。高い体温を保つためには、筋肉が必要です。だから、筋肉の材料になるたんぱく質は不可欠です。

・骨をもろくしない
たんぱく質は女性ホルモンを作ります。女性ホルモンは骨を強くします。生理がきちんときていない人は、若くても骨密度が下がっている可能性が高いです。そして、頭蓋骨の骨密度低下は、シワやたるみを生みます。シワやたるみを増やしたくないなら、たんぱく質です。

たんぱく質を含む食材(卵、納豆、肉、魚)一口にたんぱく質といっても、全部同じなわけではありません。肉、魚、卵、大豆、乳製品それぞれをバランスよく食べられれば完璧です。1日で全部食べようとすると大変ですが、サラダやパスタ、丼ものなどには温玉を載せたり、ヨーグルトやチーズをおやつにしたり、少しずつプラスすることを心がけ、1週間でバランスがとれるようにできるとよいですね。

最後までお読みいただきありがとうございました。

【参考文献】
自分の体を守る正しいデータを持てなかった女性たちへ
生理で知っておくべきこと
予防医療コンサルタント 細川モモ

溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘

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