【健康まめ知識】生理について 第7回
地域の皆さんの幸せと健康を願う当院。
今回は女性の健康を考える上では欠かせない「生理」について、10回にわたってお伝えしていきます。
正常な生理とはどういう状態なのか、年齢による変化はあるのか、月経前症候群(PMS)や生理痛を和らげるにはどうしたらよいのか…といった様々な情報を掲載予定です。
本情報により、少しでも皆さんが快適に過ごせるお手伝いが出来たらと思います。
食事と生理
マグネシウム
マグネシウムは、「ミネラルの王様」と呼ばれており、大体の不調にかかわっています。
なぜかというと、マグネシウムは、筋肉を収縮したり、食べたものをエネルギーに変えたりします。つまり、パワーの供給源です。子宮や心臓、腸の収縮もさせます。実際に、早産や不整脈、便秘などの処方薬にも使われています。命に係わるミネラルと言っていいでしょう。
神経や血流にも影響しているため、月経時に片頭痛で処方する薬も酸化マグネシウムです。
マグネシウムが足りている女性は2割程しかいません。なぜ、そんなに不足しているのかというと、マグネシウムは食材を精製することで、80~90%も損なわれてしまうからです。精製というのは、玄米を白米にしたり、全粒粉を白い小麦粉にしたりすること。栄養が私たちの口に運ばれる前になくなっています。
ですので、一番手軽な方法は毎日食べるお米やパンの精製度を下げることです。玄米とまでいかなくとも「胚芽米」や「胚芽パン」、「雑穀米」や「ライ麦パン」など、主食を茶色いものにすることをお勧めします。
そのうえで、栄養を整えるためにお勧めしたいのが、アーモンドです。アーモンドにはマグネシウムがたくさん入っています。そして、そのまま食べられるので、おやつはもちろん砕いてチーズに和えたりと便利で食べやすい食品です。
マグネシウムは納豆、豆乳、しらすにもたくさん含まれています。味噌や醤油にも入っているので、頭痛に悩んでいる人はぜひ和食を積極的に食べてみてください。
ちなみにマグネシウムは1日当たり290mgとるのが理想です。
アーモンド10粒 47mg
納豆1パック 50mg
豆乳200ml 50mg
しらす干し大さじ1 20mg
それぞれの食品に含まれる量は少ないです。ですから、たくさんの量が必要だと認識し、少しでも増やす方向で行動するとおのずと足りていきます。次のようなことを試してみてはいかがでしょうか?
- おやつをアーモンドに変える
- 朝に豆乳を1杯飲む
- おかずに納豆1パックを追加する
さらに、お風呂に入るときにマグネシウムが含まれている入浴剤か「にがり」を入れても効果的*です。皮膚からも吸収されます。また、筋肉をほぐしてくれますので、生理痛やPMSの痛みの緩和にお勧めです。
*浴槽や風呂釜の種類によって使える入浴剤が異なりますので、取扱説明書をご確認の上、ご使用ください。
マグネシウムの敵はカフェインです。カフェインにはマグネシウムを体の外に出してしまう作用があるからです。そのほかに、鉄分やカルシウムも体の外に出してしまいます。カフェインをたくさん飲むことは、栄養不足の原因にもなります。「カフェインが多く含まれる飲み物は体に良くない」という話を聞いたことがあるかもしれませんが、その理由がこれです。
カフェインが多いコーヒーを飲んだ人と、カフェインの少ないコーヒーを飲んだ人の尿を比べてみたら、カフェインが多い方を飲んだ人は30分後のマグネシウムの排泄量が多かったというデータがあります。もしカフェインの入った飲み物を飲むのであれば、食事中に飲むとより栄養が体の外に出ていきやすくなるため、食後に飲むようにするといいと思います。
また、紅茶と緑茶とウーロン茶はタンニンが多く、これもマグネシウムやカルシウム、鉄分が体に吸収されるのを邪魔するので食事中は避けましょう。
カフェインの量が少ない飲み物は玄米茶、ほうじ茶など。カフェインがゼロなのは麦茶やルイボスティー、とうもろこしのひげ茶などです。
さらに栄養をチャージする飲み物もあります。マグネシウムやたんぱく質を含んでいるものが良いと思います。豆乳や甘酒などです。特に生理にいいのは、血流をよくするビタミンEが多いアーモンドミルクや鉄分が多いココア(少量のカフェインが含まれます)が栄養を補ってくれます。
【参考文献】
自分の体を守る正しいデータを持てなかった女性たちへ
生理で知っておくべきこと
予防医療コンサルタント 細川モモ
溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘