【溝口情報局】管理栄養士が教える簡単カロリー計算~炭水化物編~

炭水化物の食品体重は、摂取したカロリーと消費したカロリーのバランスで変わります。
体重をコントロールするためには、運動ももちろん大切ですが、自分の体にあった食事量をとることがまず第一です。

そうは言っても、カロリー計算って面倒…と思う方もいらっしゃるかもしれません。完璧に計算しようとすると大変ですが、ざっくりとしたカロリーを計算するだけでも、食事の量を調整しやすくなります。

今回は、主に炭水化物を多く含む食品のカロリーの計算方法について解説し、次回はおかずについてお伝えします。

糖尿病が気になる方はもちろん、健康作りやダイエットにも役立ちますので、ぜひ最後までお読みください。

楽にカロリー計算するには?

私たち管理栄養士は、カロリーを計算する際、「糖尿病食品交換表」を参考にしています。
この本では、「食品80kcal」を1単位として、80kcal分がどのくらいの量なのかが示されています。
例えば、ご飯50gで80kcal、食パン6枚切り半分で80kcal、卵1個で80kcalとされています。
それぞれの食品のカロリーを細かく覚えなくても、食品80kcalがどのくらいの量なのか分かれば、ざっくりとしたカロリーの見当がつきます。

80kcalってどのくらい?

では、炭水化物の多い食品グループ80kcalの量はどのくらいなのかを見ていきましょう。
まず、ご飯は50gで80kcalです。

茶碗半分のご飯

ですので、お茶碗1杯100gは80kcal×2で160kcalです 。150gなら、80×3で240kcal 、200gなら、80×4で320kcal になります。いかがでしょうか。意外と簡単に計算できますよね。

食パンは、6枚切り半分の30gで80kcalです。

食パン6枚切り半分

6枚切りの食パンを1枚食べると、80×2で160kcalです。先ほどお伝えしたご飯の量と比べてみると、食パン1枚分とご飯100gが同じくらいのカロリーであることが分かりますね。

他の食品も見てみましょう。80kcalあたりの量はこのようになっています。

パンやおもち、麺類の80kcal

ロールパンは1個弱、お餅も1個弱くらいです。うどんは1/3玉、乾麺は20gです。
普段、ご飯を130gくらい食べるという方は、ロールパンを食べるなら2個、お餅なら2個くらいに置き換えることができます。

少し注意が必要なのが、乾麺です。栄養指導で患者さんとお話するなかで、意外と乾麺の1回量が多かった、という声をよく伺います。乾麺は、そば、うどん、そうめん、パスタどれでも20gで80kcalです。ご飯100g分の乾麺の量は40gです。しかし、市販の乾麺は、1束の量が多めのものもあります。
例えば、パスタは100gで束になっている物が多かったり、そばは80gで1束だったりします。パスタ100gは、100÷20で5単位分なので、カロリーは80×5で400kcalになります。
ご飯に換算すると、50g×5で250g分食べていることになります。1束を1人分として食べると、適量をオーバーしてしまう場合もあるため、乾麺を使うときは、パッケージに書いてある内容量やカロリーをみてから、どのくらい使うのがちょうどよいのか考えられるとバッチリです。

次に、芋類などを見ていきましょう。
糖尿病を治療されている方の場合、じゃがいもやさつまいも、カボチャなど炭水化物の多い野菜は、ご飯と同じグループとして考えます。

イモ類の80kcal

あなたが普段よく食べるものの量を覚えておくと良いと思います。
分かりやすいのは、じゃがいもです。じゃがいも1個で80kcalと覚えましょう。もし、じゃがいもを2個分食べたら160kcalで、ご飯100gとおなじくらいになります。
上級テクニックとして、おかずにお芋やかぼちゃ、レンコンなどがあるときは、ご飯や麺の量を少し減らせると、カロリーを調整することができますよ。

注意が必要な食品についてもお伝えします。
皆さんは、餃子はお好きですか?餃子の皮は小麦粉からできているので、炭水化物の多いグループに入ります。皮6枚でおよそ80kcalなので、餃子を6個食べる場合はご飯の量を50g減らせるとカロリー調整はバッチリです。これを知っているか知らないかで意識が変わってくると思うので、ぜひ覚えておきましょう。

ご飯の量の目安は?

例えば、身長が160cmで体型は普通、活動量は中くらいで、デスクワークや立ち仕事などをされる方の場合は 、ご飯の仲間は、3単位くらいが目安です。つまり、ご飯なら1食150g、食パンなら6枚切りを1枚と半分、または、8枚切り2枚が適量 です。
ただし、1日の食事の目安量は、身長や活動量、治療中の病気、減量が必要かどうかなどによって変わります。個人にあわせた目標カロリーについては、主治医の先生や管理栄養士にご相談ください。

まとめ

今回は、「80kcal」を基準にカロリーを把握する方法をお伝えしました。
普段、ご飯を100gくらい食べていらっしゃる方は、何kcalだったでしょうか?
そうです、お茶碗軽く1杯で160kcalでしたね。
お芋や餃子など、炭水化物の多い食品を食べるときは、ご飯に置き換えたらどのくらい?と考えて、ご飯の量を調整できると、カロリーを上手にコントロールできます。

ただし、お茶碗1杯分のご飯を減らして、160kcal分のお菓子を食べてもいいですか?というと、それはお勧めできません。同じように、ご飯の代わりにお肉やお魚、お豆腐などを多めに食べることもお勧めできません。お菓子やお肉、お魚、お豆腐などはご飯と比べると、多く含まれている栄養素が違いますね。お菓子は、種類によっては脂質が多かったり、ご飯よりも血糖値が上がりやすかったりします。一方で、お肉やお魚などのおかずの量が多いと、脂質や塩分、たんぱく質のとりすぎにつながり、心臓や脳の病気のリスクが上がることも分かっています。
カロリーを調整することも大切ですが、何かの食品に偏らず、バランス良く食べることも大切です。同じ食品のグループ、つまり、ご飯やパンなどの主食の仲間 、お肉やお魚などの主菜の仲間 の中で置き換えるようにしましょう。

次回は、お肉やお魚などのたんぱく質を多く含むグループのカロリー計算についてお伝えします。
主食(ご飯の仲間)と主菜(肉、魚、卵など)の80kcalあたりの量を覚えれば、普段あなたが食べている食事がどのくらいのカロリーかを計算しやすくなりますし、朝ご飯は少なくて夜ご飯は多いな、など食事ごとの量のばらつきにも気が付けると思います。今回覚えたことを、ぜひ日常生活に取り入れてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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院長 溝口哲弘

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