【溝口情報局】ここが知りたい!コレステロールの話
ごあいさつ
こんにちは。溝口ファミリークリニックです。
皆さんは毎年健康診断を受けていますか?
健康診断は、自分の今の体の状態を定期的にチェックできる良い機会です。
体の不調が症状として現れたときには、すでに病気が進んでいるケースも少なくありません。
自分ではなかなか気づけない病気を早期発見できれば、病気の進行を食い止め、治療で治すこともできます。
6月からは、特定健診が始まります。
当院で特定健診をご希望の方は、お電話で予約をお取りください。
ここが知りたい!コレステロールの話
さて今回は、健康診断のチェック項目の一つである「コレステロール」についてお話していきます。
ここ数年コレステロールが高めで様子を見ていたけれど、今年はついに病院へ行くように言われてしまった、
と言って来院される方はよくいらっしゃいます。
「食事に気を付けなきゃと思ってはいるんだけどね。今は仕事が忙しいから、落ち着いたら食事を見直そうかな…」
「親もコレステロールが高いから、自分も同じ体質だと思う」
「次の健診でも高かったら気を付けようかな」
このように、受け止め方はそれぞれですが、コレステロールが高くてもそれほど気にしていなかったという方が多いと感じます。
なぜでしょうか?
理由のひとつとして、症状が現れないことがあげられます。
尿酸値が高いと、痛風で関節が痛くなります。
血圧が高いと、頭痛やめまいを感じる方がいます。
血糖値の上がり下がりが大きいと、食後の眠気に悩まされたり、喉が渇いたり、トイレが近くなったりします。
(尿酸や血圧、血糖などの数値の読み方について知りたい方はこちらをご覧ください↓)
症状がないから「自分はまだ大丈夫だろう」と片付けてしまいがちなのだと思います。
コレステロールの異常を放っておくと…
そもそも、コレステロールが高いと何がいけないのでしょうか。
答えは、「動脈硬化」が進みやすくなることです。つまり血管が狭くなったり詰まったりしやすくなるのです。
動脈硬化は、自覚症状が現れないままじわじわと進行していき、心臓の血管が詰まる「心筋梗塞」、脳の血管が詰まったり破れたりする「脳卒中」になるリスクが上がります。
介護が必要になる原因は、動脈硬化が原因で起きる病気が圧倒的に多いのです。
コレステロールは悪者なのか?ホントは何者?
ただ、コレステロールはすべて悪者なのかというと、そうではありません。
コレステロールは、私たちの細胞の膜を作ったりホルモンの材料になったりと、生きるために必要不可欠なものです。
そのためいつも肝臓で作られ、血液中をめぐって全身の細胞に運ばれます。
このように、全身に運ぶトラックのような働きをしているものを「悪玉コレステロール=LDLコレステロール」と呼んでいます。
一方で、余分なコレステロールをせっせと回収してくれる、お掃除係のような働きのものが「善玉コレステロール=HDLコレステロール」です。
悪玉コレステロールが多く、善玉コレステロールが少なくなると、血液中にコレステロールがあふれ出してしまいます。
それが血管の壁に入り込んで、血管を硬くしたり狭めたりして動脈硬化が進みやすくなるのです。
動脈硬化は検査で分かる!
実際に動脈硬化があるかどうかは、「頚動脈エコー」という検査で分かります。
この検査は、首に超音波を当て、血管内の状態を視覚的にみることができます。食事の制限や痛みはなく、レントゲンやCT検査と違って放射線の被ばくもありません。
15分くらいで終わってその日に結果が分かります。
当院でも行っていますので、気になる方はご相談くださいね。
基準を超えたら薬が必要?
薬を使ってコレステロールを下げることが必要なのは、動脈硬化のリスクが高いときです。
次のような点を考慮するため、コレステロールの管理目標値は人によって違います。
・高血圧や糖尿病があるか
・たばこを吸っているか
・動脈硬化が進んでいるのかどうか
このように、今までかかったことのある病気や年齢、遺伝、生活習慣などさまざまな点をふまえ、薬が必要かどうかを判断します。
単に、基準値より少し高めだから薬が必要、というわけではないのです。
まずは食事や運動習慣の改善などのセルフケアをしばらく行い、その上で一定の成果がみられなければ薬を使うことを考えます。
自分の検査結果や動脈硬化のリスクなどに疑問に感じたら医師に相談するとよいでしょう。
患者さんから、「薬を飲み始めたら一生飲まないといけない?」という質問を受けることがあります。
セルフケアで数値を改善することができれば、
実際に、薬の量や飲む回数を減らせた方や、薬をやめてみて、定期的な採血でチェックしている方もいます。
食事の「ちょいコツ」でコレステロールを下げる!
体内のコレステロールは日々の食生活が深く関係しているため、食生活の改善がいちばん効果的です。
食べ過ぎや飲み過ぎに心当たりはありませんか?
ポイントは、油を使った料理、肉料理、洋菓子などを今よりも減らすことです。
替わりに、コレステロールを下げる食品を増やしていきます。大豆製品、青魚、野菜、海藻類、きのこ類などを意識して選んでいきましょう。
ただ、食生活を急に変えなくても大丈夫です。
好きなものが食べられなくなるのは、誰しもストレスになると思います。
例えば、ついついお菓子を食べ過ぎてしまう方は、
「1回の量を今より減らす」か、「頻度を少なくする」か、どちらの方が取り組みやすそうですか?
1回量を減らすなら、大袋のお菓子ではなく小袋を選んだり、量を決めてお皿に取り分けたりしてみましょう。
頻度を減らすなら、食べていい曜日を決める、夕食後は控えて日中のみに変える、などできることから行うことが大切です。
初めのうちは意識して少しずつ取り組んでいきます。だんだんとそれが当たり前になる、つまり習慣化すると、この先も健康維持がグッとしやすくなります。
軽い運動でコレステロールは下がる!
軽めの運動やストレス解消などもあわせて行うと、効果が出やすくなりますよ。
ウォーキングや軽めのジョギングなど、少し息が弾むくらいの運動を取り入れられると良いです。
体を動かす機会を増やすと、エネルギーが消費されて体内の脂肪代謝が活発になり、悪玉コレステロールや中性脂肪を下げ、善玉コレステロールが上がります。
運動を始めるのは、初めのうちはおっくうに思うかもしれませんが、
患者さんの中でも、やってみると意外と面白くて気分もすっきりする!と話される方も多くいらっしゃいます。
なかなか時間が取れない方は、まずは日常生活の中で「歩く」機会を増やしてみるのがおすすめです。
職場に階段がある方はラッキーです。手軽な運動になりますし、下半身の筋肉を刺激してむくみ解消にもつながります。駅やショッピングセンター、マンションなど、階段を使える場面はぜひ活用できるといいですね。
他にも、テレビを見ながら足踏みをしたり、外出ついでに1分だけ歩いたり、毎日一箇所 家の掃除をしたり・・・小さな積み重ねは立派な運動になります。
まとめ
コレステロールが高くても今すぐに命にかかわるわけではありません。
治療の目的は、数年後、数十年後、いつ襲ってくるか分からない命にかかわる大きな病気を予防することです。
あなたの今のからだの状態に対して必要な治療は何なのか?医師に確認することをお勧めします。
そして、日常生活の「ちょいコツ」を実践していきましょう。
ぜひご自身に合った健康管理の方法を見つけていけるといいですね。
当院では、管理栄養士による栄養相談も行っていますので、お気軽にご相談ください。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘