【健康まめ知識】生理について 第10回

大喜びの女性地域の皆さんの幸せと健康を願う当院。
今回は女性の健康を考える上では欠かせない「生理」について、10回にわたってお伝えしていきます。

正常な生理とはどういう状態なのか、年齢による変化はあるのか、月経前症候群(PMS)や生理痛を和らげるにはどうしたらよいのか…といった様々な情報を掲載予定です。
本情報により、少しでも皆さんが快適に過ごせるお手伝いが出来たらと思います。

食事と生理

ヘモグロビンと酸素血の中ではヘモグロビンという物質が働いています。ヘモグロビンには血管の中を流れ、体中に酸素を運ぶ役割があります。このヘモグロビンは鉄分とたんぱく質でできています。鉄分が少なくなると、ヘモグロビンが作られません。「貧血です」と言われるのは、このヘモグロビンの量が少ないときです。ヘモグロビンが少なくなってしまうと、体中に送る酸素の量も減ってしまい、細胞で作られるエネルギーも減ってしまいます。そのため、疲れやすくなったり、疲れからの回復が難しくなったりします。

また、健康診断で「貧血ではない」という結果が出た人でも、本当はほぼ貧血だったりします。というのは、健康診断ではヘモグロビンしか調べないことが多いからです。この貧血の原因になるものに「フェリチン」があります。貯蔵鉄とも呼ばれます。フェリチンが足りなくなっても、貧血と同じような症状が現れます。「隠れ貧血」といえます。
体の中の鉄分は70%がヘモグロビンですが、30%はフェリチンです。ヘモグロビンが足りなくなってくると、フェリチンを使ってヘモグロビンを作っています。ヘモグロビンが足りなくて貧血だといわれたときは、フェリチンも0になっているということです。だから、健康診断で貧血を指摘された人は、重い貧血だと思った方がよいでしょう。

納豆 牛肉さて、鉄分の多い食べ物ですが、思い浮かべるのはレバーでしょうか?もちろん、レバーも多いのですが、牛肉や納豆も同じくらい多いのです。また、マグロやカツオなど赤みの魚にも多く含まれています。鉄分を取るときは「赤いたんぱく質の食べ物」を意識して食べましょう。また、その際よく噛んで食べたりビタミンCやクエン酸など酸っぱいものと一緒に食べたりすると、吸収が良くなります。また、体温が高い方が鉄を吸収しやすいようです。

鉄鍋更に鉄分をとる裏ワザは「鉄玉子」「鉄鍋」です。鉄鍋を使うと、鍋から少し鉄分が溶け出します。それと同様に「鉄玉子」という鉄でできた玉があるので、食材と一緒にお鍋に入れて調理をすると鉄鍋を使った場合と同様の役割を果たします。

骨の強さをキープする

大人になってしまうと、残念ながら骨は頑張ったからと言って今よりも強くなることはありません。10歳くらいから骨密度が上がり始めて、20歳くらいをピークにあとは弱くなっていきます。そして、閉経を境にガクッと下がります。弱くなっていくときに、いかになだらかにするかが大事です。

子供のころにしっかり運動して骨に刺激を与え、なおかつ栄養をしっかり取っていた人は骨密度が高い傾向にあります。つまり骨の強さをキープするのも「骨への刺激」と「栄養」が基本です。

階段を上る女性骨への刺激はちょっとした刺激を積み重ねるので十分です。階段を使ったり、ちょっと飛び跳ねたりする程度です。

骨を作っている栄養素は1つではありません。たんぱく質、カルシウム、マグネシウム、ビタミンDが骨を作るうえで必須の栄養素です。この栄養素、実は生理を快適に過ごすための栄養素と同じなのです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

【参考文献】
自分の体を守る正しいデータを持てなかった女性たちへ
生理で知っておくべきこと
予防医療コンサルタント 細川モモ

溝口ファミリークリニック
静岡県袋井市浅岡45-1
電話番号 0538-23-8300
院長 溝口哲弘