【溝口情報局】糖尿病&肥満を防ぐ夏の水分補給~熱中症予防には何を飲む!?~

暑い夏場、仕事や運動で汗をかく方は、熱中症が心配ですよね。
日ごろお話しする患者さんの中には、「スポーツドリンクを飲んでいる」という方もいらっしゃいますし、反対に「スポーツドリンクは糖質が高くて心配だから、水かお茶にしている」という声も伺います。

お水を飲む女性実際、夏場の水分補給はどうするのが良いのでしょうか。
今回は水分補給をするときに注意が必要な飲み物3つと、何を飲んだら良いのかを解説します。
この夏を乗り切るため、ぜひ覚えておいてくださいね。

知っておこう!注意が必要な飲み物3選

スポーツドリンク

ここではアクエリアスとポカリスエットを例にあげます。
これらの清涼飲料水は、汗で失われた水分や電解質をスムーズに体に吸収するための飲み物です。
適度な糖分とミネラルが入っているので、水だけを飲む場合と比べて体への水分補給がスムーズになります。
しかし、ペットボトル1本500mlに入っている糖質の量は、なんと!スティックシュガー8~10本分くらいです。

もし糖尿病の方がこのような清涼飲料水をごくごく飲むと、当然血糖値は高くなります。
血糖が上がりすぎるとのどが渇くので、さらに飲んでしまう…という悪循環に陥る恐れもあるのです。

また、少量ずつチョコチョコと飲むような飲み方は、血糖値がだらだらと高い状態が続くため、糖尿病の管理に悪影響を及ぼします。

アクエリアス
ポカリスエット
100mlあたり
1本(500ml)
100mlあたり
1本(500ml)
エネルギー
19kcal
95kcal
25kcal
125kcal
炭水化物
4.7g
23.5g
スティックシュガー(1本3g)
約8本分
6.2g
31g
スティックシュガー(1本3g)
約10本分
これを見るといかに糖質が高いかが分かりますね。ちょっと驚きませんか?

コーヒー

カップコーヒーコーヒーはカフェインが多い飲み物です。カフェインには尿の量を増やす作用があり、体の脱水を進めてしまう可能性があります。
さらに、砂糖の入ったコーヒーは血糖値も上がりやすいため、糖尿病や肥満予防のためには控えた方が賢明です。

コーヒー以外にも、カフェインを含む緑茶や栄養ドリンクなどにも利尿作用があります。
補給したつもりでも排出されて、体内の水分が失われていた…なんて残念ですよね!
カフェイン入りの飲み物を飲んだら、ぜひお水も一緒に飲むようにしましょう。

アルコール

ビールを飲む男性アルコールにも利尿作用があります。特にお風呂上がりや運動後など、汗をかいたあとに冷えたビールをグビッと飲む時間は最高ですよね。
しかし、この飲み方はかえって脱水を引き起こす恐れがあるので注意が必要です。また、アルコールは利尿作用に加え、肝臓でアルコールが分解される際に、多量の水を必要とします。そのため、さらに脱水を起こしやすいのです。
ですので、お酒を飲む前はコップ一杯以上の水を飲むようにしましょう。
すっきりとした爽快感が欲しい方には、ビールの代わりに無糖の炭酸水やノンアルコールビールにするのもおすすめですよ。

夏場の水分補給のポイント

これまで糖尿病や肥満の予防・改善のための「3つの要注意ドリンク」をお伝えしました。では、水分補給には何を飲むのが一番いいのでしょう?

答えは「糖質やカフェインの含まれていない飲み物」をとることです。
具体的には麦茶やルイボスティー、水がおすすめです。これらの飲み物には糖質やカフェインが含まれていないので、血糖値を上げたり脱水になったりする心配が少ないと言えるでしょう。
なるべくカフェインを含まないもので水分補給をするのが理想的です。

おすすめの飲み物がわかったところで、せっかくなら、飲み方にもちょっと工夫を。

  • のどが渇いている状態は脱水が始まっているサイン。渇きを感じる前にこまめに飲むのがいいでしょう。
  • 一度にたくさん飲んでしまうと腎臓などに負担がかかるので、1回につきコップ1杯程度を目安に、1日6~7回に分けて飲むのがおすすめです。
  • 暑いとつい冷たい飲み物が欲しくなりますが、冷たい飲み物を摂り過ぎると体を冷やし内臓にも負担を与えてしまいます。冷えた水より常温がおすすめです。

「記録的な暑さ」「最高気温の記録更新」といったニュースが毎年話題になるほど、夏の環境が年々厳しくなっています。
正しい水分補給のコツを知って、暑い季節を元気に乗り切りましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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溝口ファミリークリニック
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院長 溝口哲弘

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